Maker Store物語 - キット職人たち

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火曜日の午後、家に帰り、楽しかったMaker Faireの数日間を思い返した。ボクにとってこれは3回目のMaker Faireだったが、本格的に参加したのは2回目だ(最初は出展者だったから準備や撤収は手伝わなかった)。2007年サンマテオのMaker Faireでは、ボクはほとんどの時間をMaker Storeで過ごした。そこでは、単行本やMakeのバックナンバーやTシャツやボクの大好きな電子キットなんかを販売していた。コミュニティあってのMakeだから、ボクたちは小さなメーカーのキットをどん欲にかき集めてオンラインやイベント会場で販売している。AdafruitのMintyBoost、MiniPOV、Grand DesignとXGameStation.comの電子ゲームキットなどがそうだ(上の写真は編集長のMark FrauenfelderがCritter and Guitariのcellular automata kitで遊んでいるところ)。

オースチンのMaker Faireでも、ボクはMaker Store担当だった。今回は、キットの数はうんと増えた。中でも売り上げ断トツ一位だったのがArduinoとArduinoの互換ボードだ。Arduinoはフィジカルコンピューティング用のプラットフォームと一般に紹介されている(物理的なセンシングとコントロールができる)。オープンソースで(ソフトもハードもすべて公開されていて、改造も配布も自由)、もともとアーティストやデザイナーが作ったものだから、プログラムもすごく簡単だ。8ビットのAtmel AVRマイクロコントローラがベースになっていて、Javaに似た言語でプログラムをする。

Arduinoがこれほど成功した理由のひとつには(ボクたちが用意した完成品のArduinoは2日目の朝に売り切れてしまった)、同時に販売していたTom Igoeの新刊『Making Things Talk』の影響もあると思う。Arduinoを使った驚きの工作を前ページカラーで紹介している本だ。すごく簡単な内容だから、Arduinoで遊んでみたいと思っていた人なら、この本を見れば、いっしょにArduinoをひとつかふたつ買ってしまう。Arduinoでは、USBケーブルでプログラム用のコンピューター(Mac、Windows、Linux)に接続して、赤色LEDを点灯させれば、これが"Hello World!"の代わりになる。

Arduinoの回し者かと思われるかもしれないけど、......たしかにそうかも、でも、ボクの情熱はただこれを売ることだけには止まらない。Tomの本を編集しているとき、ボクはArduino熱にかかってしまったのだ。今、ボクのオフィスには、センサーやディスプレイやソーラーパネルや受動素子やLEDやArduinoでいっぱいだ。子供のころ、ボクはエレクトロニクスで遊んでいたが、そのころ使っていたホームコンピューターが、ちょうどArduinoぐらいの性能だったんだ。Maker Faireでいちばんドキドキしたのは、Arduinoを何台か使ってZigBeeベースのデモをセットアップしているときだった。Arduinoは、お客さんがいじって遊べるように外に出しておいた。

Maker Storeのクールなところは、小規模メーカーのブースも確保されていたことだ。AdafruitのLimor Friedは、かなりの時間、そこで MintyBoostとMiniPOVの説明をしていた。SolarboticsのDaveとCheryl Hrynkiwのところには、いつも子供たちが大勢押しかけていて、おかげでMousebotのキットは早々に売り切れていた。LEDKit.bizのKarl Papadantonakisは、なんとハンダ付け不要のLEDデジタル時計を展示していた。XGameStation.comのAndre LaMotheは、8コアのHydraゲームコンソールとXGameStation Picoをデモンストレーションしていた。自動航行式のペット飛行船Blubberbotの作者Jed Berkもいた。Raphael Abramsは、Daisy MP3プレイヤーのすばらしいデモを見せてくれて、お客さんの質問にも答えていた。そしてボクの地元からはModernDeviceのPaul BadgerがuC HobbyのDavid Fowlerと一緒になって、Paulが開発した自分で作れるArduinoの互換ボードBare Bones Boardを展示していた。彼らは、お客さんと一生懸命に話をしたり、彼らのキットのワークショップを開いたりもしてくれた(これについては、あとでまた詳しく話そう)。

というわけで、Maker Faireの間、ボクは商業活動にどっぷり浸かってたんだけど、ボクの仕事は、これらの小規模なキットメーカーと、それらのキットを熱望しているコミュニティとの橋渡しをすることにあった。驚かされたのは、クールなアイデアを持っている人たちの周囲に市場がどんどん成長しているということだ。彼らは、ほどほどな数量を製造する方法を見つけて、それを熱狂的なファンに売ることで、たぶん生活ができるようになっている。それを買った人たちは、キットを組み立てて遊ぶことで、じつに多くのことを学ぶのだ!

P.S. 小型で品質の高いニュートン式反射望遠鏡のキットを知っている方(または自分でキットをデザインして製造できる方)は、このコメントを使ってご一報ください。

- Brian Jepson

訳者から:本当に欲しい人だけに、少量だけ物を作って売って、それでそこそこの生活ができれば、幸せだよね。オープンソースハードウェアは、そんな社会に向いているような気がするな。

編集から:上で取り上げられているキットのいくつかは、ここから注文することができます(日本への発送も可能)。また、具体的な予定はないのですが、日本でもこれらのキットや日本のMakerの方のキットを何らかの形で販売できるようにできれば...と思っています。ご意見・アイデアなどありましたら、コメントやメールでお知らせください。

[原文]

Posted by Tetsuo Kanai | Nov 7, 2007 01:41 AM
Maker Faire | Permalink | Comments (0)

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