ITP Winter Show 2008 - 皿回しDJ、カクテルを作るピアノ、磁石でコンピュータを操作音楽

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Makeは、ニューヨーク大学ITPの学生アーティストたちによる、視覚とサウンドと物理オブジェクトを使ったインタラクティブな作品を2日間にわたって展示する"ITP Winter Show 2008"を今回も精力的に取材した。インタラクティブな技術プロジェクトを紹介しよう。

ボクは毎年、学生たちのトレンドを探ることに力を入れている。数年前は、ProcessingとArduinoだった。それから、Nokia 95とWiiリモコンに移り、今は省電力と木材とiPhoneだ。ITPのような場所から、より多くのiPhone用アプリケーションが生まれるだろうし、ハイテク・プロジェクトの木材への"回帰"も期待される。身の回りの電力消費量を知るということも重視されるようになるだろう。2009年には、これらの傾向が目に見える形で広まっていくことになるはずだが、そこをいち早くレーダーがキャッチした。Arduinoは、もちろん数多くのプロジェクトに使われている。なるべくして、すでに広く普及している。ボクが撮った写真とビデオは、すべてここにアップしたからね

では、ドラムロールをどうぞ! :::::::::: 毎年ボクは、すごく気に入ったプロジェクトをいくつか選んで、"best of show"として発表している。といは言え、どのプロジェクトも素晴らしく、ITPは毎回進化しているので、選ぶのがすごく難しいんだけど、毎回、みんなに求められるもんだから仕方ない。ここに、ITP Winter Show 2008に出展されたプロジェクトの中から、ボクが好きないくつかの作品を紹介する。ちなみに、全出展プロジェクトは ここでチェックできるよ


DJ Porcelain and the Plates(DJ Porcelain とお皿たち) / ITP サイトの記事

学生:Thomas John Gerhardt
指導教官:Hans-Christoph Steiner

DJ Porcelain and the Platesは、DJの新しい形です。曲のミキシングを、ターンテーブルのレコードではなく、棒の上で皿を回して行います。DJ Porcelain and the Platesは、6本の棒と16枚以上の皿で構成されるNIME(new instrument for musical expression:音楽表現のための新しい楽器)です。音楽を奏でるには、作曲者が棒を使って皿回しを行います。皿の回転速度を調整することで、あらかじめ録音されているループの再生速度が変化します。それぞれの棒は、サウンドのチャンネルに対応しています。皿はサウンドトラックに対応しています。コンピューターは、どの皿が回っているか、回転速度はどれほどか、どの棒の上で回っているかを認識し、状況に応じた速度で対応するループを再生します。こうすることで、6チャンネルのサウンドを使って曲の演奏(ミックス)が、リアルタイムで行えるのです。



Pianocktail / ITP サイトの記事

歌を飲めたとしたらどうだろう? 『黒と褐色の幻想』はどんな味がするだろう?Pianocktailは、演奏された鍵盤を元に飲み物を調合するピアノです。鍵盤は、様々な種類の酒に対応しており、曲が演奏されると、その雰囲気に合ったカクテルが作られます。今や、音楽は聴くだけでなく飲むこともできるようになりました。Pianocktailは矛盾と例外の世界に存在しています。そこでは、音楽と酒がいい雰囲気で調和し、見た目はまったく意味を持ちません。

Pianocktailは馬鹿馬鹿しい創造物です。ボリス・ヴィアンが小説『日々の泡』で夢見た代物です。どんな仕組みになっているかは、小説に書かれているとおりです。

学生:Florica VladとOscar G. Torres
指導教官:Hans-Christoph Steiner

「それぞれの音に飲み物が対応しています。......ワインであったり、蒸留酒、果実酒、またはフルーツジュースであったり。ラウドペダルを踏むとエッグフリップが入り、ソフトペダルを踏むと氷が入ります。ソーダは嬰ヘ長調でカデンツァを弾くと入ります。分量は、どれほど音を伸ばすかによって決まります。64分音符がメジャーの16分の1に相当し、4分音符がメジャー1杯、全音符がメジャー4杯です。スローな曲を弾くと、分量が多くなりすぎないよう音の長さによる量の割合が切り替わり、全体がカクテルとして相応しい量になるよう調整されます。ただしアルコールの量は変わりません。また、曲の長さに応じて、もし望むならば、使用するメジャーを変更できます。小さくできるのです。たとえば、すべての和声の影響を副次的に採り入れるために100分の1にするとか」

Pianocktailの製造は、鍵盤の下に88個のスイッチを仕込むという形で、違和感なく自動的に行うことができます。88個のセンサーが演奏される音楽を検知します。鍵盤が特定の組み合わせで押されることで、酒やジュースやガーニッシュがグラスに投入されます。理論的には、正しい組み合わせで鍵盤を押すことで、特定のカクテルを作ることが可能です。混合は、一連のシフトレジスターとArduinoマイクロコントローラーで論理回路を作り、モーターと電子的な数値制御を用いることで可能となるでしょう。



The ReedBox / ITP サイトの記事

学生:John Kuiphoff
指導教官:Tom Igoe & Daniel Shiffman

ReedBoxは、ユーザーが磁石を使ってコンピューターと対話できるようにするためのデバイスです。

ReedBoxは、それぞれにLEDのインジケーターを接続させたリードスイッチの配列から構成されています。ユーザーは、このボックスの表面に磁石を置くことで、デバイスをコントロールできます。このユニークなインタラクションの方式には、無数の応用が期待できます。

現在、このデバイスを応用した装置には次の5つがあります。



Living shade / ITP サイトの記事Window vision / ITP サイトの記事(同じテーマなのでひとつにくくりました)...

Living shade 学生:Adam Lassy、Adi Marom Emeri Audra Yarnoff
Living shade 指導教官:Kate Hartman

私たちの生活はピクセルに囲まれています。iPhoneも、ノートパソコンも、テレビも......、いたるところにピクセルがあります。そこで、アパートの窓から入る光も、*pixelization*(ピクセル化)してみようと考えました。

私たちは、外の明るさに応じて部屋に差し込む光の量を調整する動く日よけを作りました。日よけは、開閉可能なユニットを繋げて作ってあります。それぞれがピクセルの形をしており、個別に開いたり閉じたりします。折りたたみユニット(ピクセル)が形を変えることで、全体が、そこを通して光を"呼吸"する"生きた"日よけとなります。

この動く日よけは、開閉式のユニットが頑丈なアルミフレームの中に並べられています。各列のユニットは、サーボモーターで開閉します。各サーボには金属の棒が接続されており、回転が直線的な動きに変換されます。

サーボは、スクリーン(外側に面している)のフォトセルによって駆動します。

この日よけは、インタラクティブな調光機として動作します。外が明るくなると、ユニットは高速で開閉するか、異なるパターンで動きます。現在の試作品では、各ユニット間の動作パターンは、連続的なウェーブを描くようにプログラムされています。しかし、連続的な繰り返し、いろいろな形、ランダムな開閉など、さまざまなパターンにプログラムができます。

将来的には、別のセンサーを使い、人が近づくと動くといった設定も可能になるよう、インタラクティブ性を強化したいと考えています。

Window Vision
Window Visionは、周囲の環境の変化を受けて明るさに応じてコンポーネントの形を変えることで反応性設備です。

Window vision 学生:Angela Joy Chen
Window vision 指導教官: Kate Hartman

科学とアートの交差点を世界が通過することの重大な意味を考慮したWindow Vision は、周囲の光景を目で認識できるようにしている神経パルスを増幅する作品です。また、住人が外の世界と対話できる建築的媒体としての窓という考え方にも基づいています。

"Bandwidth of Consciousness"という記事に、私たちの目は1秒間に数千の情報を取り込んでいるが、私たち自身はそれをほとんど意識していないと書かれています。これを可能にしている要素の大部分を占めるのが、目の中の光に反応する組織である網膜の構造上の特性です。網膜の中には、錐体と桿体という2種類の視細胞があります。これらによって構成される細胞構造体が、異なる強さの光に反応するため、暗闇でも色が認識できるのです。

私は、視細胞と同じように、異なる要素がひとつのモジュラーレベルで機能するものを作ろうとしています。神経学的に言えば、常に明暗のレベルに反応して調整を行っている要素と、常に"焦点"を合わせようとしている要素です。

フォトセルと、ステッパーモーターで制御されるいくつかの基本的な機構を使うことで、昼(明るさ)を担当するものと、夜(暗さ)を担当するものとの2系統のモジュラーを構成します。


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Power Aware / ITP サイトの記事

学生:Martin Ceperley
指導教官:Hartman Kate

光の色を変化させてユーザーに消費電力量を示すテーブルタップです。また、そのデータは無線でウェブアプリに飛ばされ、記録されます。

現在のデジタルライフでは、新しいガジェットやツールには、必ずと言っていいほど新しい電源プラグが付いていて、24時間、静かに密かに電気を吸い続けます。これは私たちの社会に重大な環境的影響をもたらし、無駄な電気代を支払う消費者には経済的な影響を与えます。そこで、どのACアダプターが効率的に働いていて、どのアダプターが、いわゆる電源吸血鬼であるかがわかる方法はないものか。または、プレイステーション3とWiiとでは、どちらが電気を食うかを見る方法はないものか。

Power Awareテーブルタップは、生け花のようにアレンジされたフルカラーLEDで光るファイバーの色と変化の速度で、今の電気消費状態を視覚的に示します。ユーザーは、いつも視界の片隅にそのパターンを見ることができ、電力を消費しているという意識を高めることに繋がります。そしてこれが、外出前に電気製品のスイッチを切ったり、プラグを抜くなどの行動を促す省電力の意識に繋がっていくことを期待しています。

光による受動的なエネルギーのフィードバックに加えて、Power Awareは電力消費のデータをWiFiでウェブ上のデータベースに定期的に送り記録を付けることができるため、ユーザーは電力の使い方をオンラインで分析できるようになります。このデータはリアルタイムで電力消費グラフとなり、1日の電力量のピークがわかるなど、データの分析が容易になります。ソーシャルネットワークに接続するためのコンポーネントも追加できるため、電力消費データをFacebookアプリケーションを通じて共有することが可能です。そこでは、日ごと、または週ごとに、電力消費量を低く抑えられた人や劇的に低減させた人を表彰します。

訳者から:ITP(Interactive Telecommunications Program)は、ニューヨーク大学の大学院、Tisch School of Artsの中のコミュニケーション技術を学ぶ修士課程です。

- Phillip Torrone

原文

Posted by Tetsuo Kanai | Dec 28, 2008 03:00 AM
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