Peter Semmelhack(Bug Labs)『医療ハッキング』を語る

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Bug Labsの創設者にして最高経営責任者のPeter Semmelhackは、医療技術における創造的でオープンソース的な動きに関する記事を送ってくれた。ボクたちはこれに興味を持った。Makeの読者諸君もたぶん興味を示してくれると思う。 - Gareth


これは、この数週間ずっと考えてきたことを初めて言葉に表すものだ。そのため、多少荒削りなところはご勘弁いただきたい。しかし、このアイデアが頭の中に閃いてから、私は長い間研究を続けてきた。こうした考えは、大勢の人たちと分かち合い、たくさんの討論を重ねていかなければ、安楽死させてしまう。そこで、私はここで私の考えを公開し、みなさんのご意見を伺おうと思う。

私は、医療分野のオープンソース化が重要だと考えている。はっきり言えば、世界でもっとも困難な医療問題の解消を目的としたLAMPなどの最高にして非常に複雑なソフトウェアシステムの開発時に経験した、あの熱い情熱を再び結集したいのだ。口で言うのは簡単だ。実際にやるとなると困難を極めるであろうこともわかっている。しかしここに、私たちが参考にすべき、小さな実例を紹介したい。今日、私たちが知っているオープンソースは、Linuxに始まったことではないのだ。

今、あなたの患者に1型の糖尿病を患っている人がいたとしよう。あなたは、その人が命に危険が及ぶほどの低血糖や高血糖を起こしたとき、電子メールやテキストやインスタントメッセージなどを使って、すぐに知ることができればと考えているはずだ。 特に、低血糖や高血糖の発作で倒れたときなどはなおさらだ。同時に、こうした警報を受け取るのは、今の技術では不可能だとも思っているはずだ。どこへ行っても、そんな器具は売られていないし、作ろうとしても技術的に難しすぎる。しかし、こうした装置をほんの1週間で作ってしまう人たちを、私は知っている。

同じことが、小児ぜんそく患者の呼吸のモニタリングやアルツハイマー患者の徘徊についても言える。他にもまだまだある。だが、ここで重要なのは、人々の健康を維持するための、また相互扶助を行うコミュニティーが利用できる装置の開発に使える専門的な(まさにぴったりの)ツールが無数に、いやそれほど多くないにしても、存在しているということだ。ゲームや音楽やプログラミング言語などのオープンソースソフトウェアの開発を目指して活発に活動するコミュニティーを覗けば、これと同じエネルギーを、人々の医療や健康維持の方面にも向けることができるはずだと信じたくなる。人生をよりよくするための発明や方法などを全世界の仲間と共有するグループに参加できたら、どれだけの恩恵を受けられるだろうか。これは、まったく新しい世界ではないのだ。FOSSコミュニティーでは、今も毎日、そんなことが起こっている。

最大の障害はお金だ。こうしたシステムの構築には金がかかる。しかし、それにも解決策はある。現在アメリカでは、100万人の小児糖尿病患者がいる(毎年29000人ずつ増えている)。もし、こうしたコミュニティーが、患者の死亡率を年間5パーセントだけ下げることのできるオープンソースの装置を開発し、製造し、認証を受けることができたとしたら、それだけでも、ものすごいインパクトがある。そうなれば、Juvenile Diabetes Research Foundationa(JDRF:青少年糖尿病研究基金)がスポンサーになって生産を行い、一部またはすべての患者に販売や配布を行うという可能性もある。100万セットを作るとして、適正な価格を設定し(1個90ドル程度だろうか。すべての患者に配るとして 9000万ドル。もちろん、全員に配る必要はないだろうが)、財団や政府にとっては、そんなに大きな金額ではない。または販売すれば、財団はさらに生産を続けることができる。コミュニティーはこうして機能してきた。医療分野でこれができないはずがない。

これはひとつの例に過ぎない。もっといい方法が他にもあるだろう。しかし重要なのは、実質的にすべての医療上の問題で、このやり方が有効だということだ。長生きの秘訣も、健康の秘訣も、医療費を安く抑える秘訣も、すべてよりよい情報がもたらしてくれるものだ。そして、よりよい情報を得るためには、そのための優れたツールを開発することが重要だ。そうしたツールの開発に乗り出すべきだと私は主張したい。だが、医療業界のみにそれを期待してはいけない。ハッカーのコミュニティーを組織し、力を与え、今まで見たこともないような医療革命のための技術的な基礎を、みんなで作るのだ。Linuxのカーネルを作るのと、難易度的にはそう変わらないと思うのだが。;)

P.S. 現在、医療関係で行われているオープンソースの活動をリストアップしたので、ここを見て欲しい

原文

Posted by Tetsuo Kanai | Jul 23, 2009 01:00 AM
Open source hardware | Permalink | Comments (0)

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