物作りがなぜ大切か

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AnnMarie Thomasは、今年の TEDで「Why Making Matters」(なぜ物作りが大切か)というテーマで短い講演を行った。彼女はその話の続きをブログに書いている

世界にインパクトを与える最良の方法は、できるだけ多くの子供たちや若者たちに必要な工具を与えて世界を変えさせることだと、私は本気で信じています。私はそのクエストの途中で、私が敬愛する技師や発明家の伝記をたくさん読み、そこに明かな共通点を見つけました。
・Paul MacCreadyは、私のヒーローです。人力飛行機の開発者であり、より継続可能な変革の姿を追求しています。家の卓球台の上で模型飛行機を作り続けていた彼は、わずか14歳でオートジャイロの滞空時間世界記録を打ち立てました。


・Dean Kamenは、iBot車椅子やLUKEアームの開発に携わっていました。彼はまだ高校生だったころに、マンハッタンの自然史博物館のために照明システムをRadio Shackで買える部品を使って設計変更しています。Deanが若者に科学と技術を教えるFIRSTを設立したのは、自然なことだったかもしれません。

・ライト兄弟は、父親からオモチャのヘリコプターをもらってから、もっと大きなものを自分たちで作ろうと頑張りました。そして、自作の凧を売るビジネスを友達相手に始めます。彼らは旋盤まで自作しました。ライト兄弟の母親は、馬車職人の娘として生まれ技術者として家業を手伝うよう期待されていました。その母親が兄弟に非常に高速なソリなどのオモチャを作ってあげていたと聞けば、意外なことではありません。

彼らのように、子供時代の体験が何らかの形で発明家や技術者としての成功に結びついていることは否定できません。そのため、Nuts, Bolts and Thingamajigs Foundation of the Fabricators and Manufacturers Associationによる、アメリカのティーンエイジャーの72パーセントが技術科の授業を受けたことがないという調査結果を聞いて、私は寒気を感じました。

しかし、そんなに心配することもありません。ここに示した例は、校外での活動です。今でも、子供たちは家で何かを作っているはず......。

しかし同じ調査で、技術科を受けていないティーンエイジャーの83パーセントは、木工や模型作りなど自分の手で何かを作る活動を1週間のうち2時間未満しかしてないということもわかっています(27パーセントはまったく行っていません)。テレビを見たりゲームをしたりする時間とは比べものになりません。

私たちは、これを実験だと考えることができます。「もしこのまま子供たちに技術を教えずにいたら、私たちの発明の文化はどうなってしまうのか」 
大学に入るまで、音楽理論だけ習って一度も楽器に触れたことのなかった若者が、音楽家として成功するとは誰も思いません。物作りにも同じことが言えます。工学系大学で、何かを作った経験が一切ないという学生の数の多さを聞いたら、あなたも驚かれることでしょう。

ではなぜ、子供たちは物を作らなくなったのでしょう。技術を教える時間が学校では取れないから? 子供に物を作らせるのが怖いから? 危険すぎるからと休み時間をなくした学校があるような世の中では、子供に刃物を持たせるなんて面倒を増やすだけと思われるかもしれない。しかし、子供たちは、本物の工具を持たせることができないほど、馬鹿なのだろうか。学校関係で私が素晴らしいと感じた例を紹介しましょう。

前世紀から今世紀に移るころ、教育家のJohn DeweyはChicago Laboratory Schoolを開校しました。そこには、体験して学ぶという強い哲学がありました。子供たちはあらゆる教育段階で手作業を学びます。Deweyは、子供たちには、本物の工具を持たせて、本物の何かを作らせる必要があると出張して実践してきました。そこでは、子供たちはプレイハウスを建てたいと思えば、教師から助言をもらいながら自分たちで建設します。建築基準法にも適合した2階建てのプレイハウスには、手作りの家具も備えてあります。すべて14歳以下の子供たちが設計して建設しました。今から100年後、今の子供たちの時代には、自分で物を作ることを誰からも教わってこなかった人たちが大半を占めることになります。私はなにも、2歳の子供にチェーンソウを与えろと言ってるのではありません(私の子供はオモチャのチェーンソウを持ってますが)。楽器の演奏と同じように、物作りの技術も習得するまでに長い年月を要し、早く始めるに越したことはない、と認識すべきだと訴えたいのです。

もうひとつ、物作りに早く目覚めさせるための重要な教訓があります。たくさん失敗を重ねるべきだ、ということです。物作りを職業としている人たち全員に失敗体験があります。発明家や技術者が、最初の失敗で諦めていたら、飛行機も電球も、そのほかの数え切れないほどの優れた発明品は生まれてこなかったはずです。失敗の中から学ぶことには痛みを伴います。だから早く始めるのがよいのです。

学校の技術科の授業では、失敗すれば評価が下がります。これでは物作りを楽しめるはずがありません。失敗が怖いからです。しかし、作る喜びを教わった子供たちは、失敗があって成功があると知っています。ライト兄弟が子供のころに作ったヘリコプターは、何度も失敗を重ねています。しかし彼らは、そこから飛行原理の基本を学んだのです。革新的な企業ではよく「早く失敗し、よく失敗せよ」というモットーを掲げています。私たちは、子供たちに対しても、同じように失敗から学べと教えているでしょうか。

幸いなことに、子供たちに物作りの楽しさや挑戦する喜びを教えようと尽力している素晴らしい組織や人が大勢います。しかし、私が調べた限りでは、まだまだその数は足りていません。子供たちに物作りを始めさせることは、それほど難しくないという点も、また幸いなことです。ねじ回しを持たせて、どうやって使うかを教えるだけです。

昔むかし、宇宙船は、映画や本や子供の夢の中にあるものでした。その子供のなかの何人かが、ティーンエイジャーになって車やいろいろなものをいじって遊ぶようになり、さらに大人になって有人宇宙飛行を実現させたのです。大切なのは、今の子供たちに、「彼ら」の夢を現実のものにするための工具と技術を与えてやることです。

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みんなはどう感じた?

- John Baichtal

訳者から:失敗すると点数が下がる学校教育が根本的に間違ってるというところ、ほんとにそのとおりだね。ボクは子供のころから物作りが大好きで、いろんなもの作ったり壊したり改造して遊んでたけど、学校の美術と技術の時間は大嫌いだった。

原文

Posted by Tetsuo Kanai | Mar 15, 2010 02:00 AM
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