方形ピクセルの50年

squarePixel_2.jpg

SFおよびホラー小説の奇才ジョン・シャーリー(ウィリアム・ギブソンが「サイバーパンクの感染源」と呼ぶ男)が、デジタル画像技術の方形ピクセル誕生に関する記事のリンクを送ってくれた。その書き出しはこうだ。

ラッセル・キルシュは悔やんでいる。


50年以上も前のこと、キルシュは幼い息子の写真を撮り、コンピューターでスキャンした。それが最初のデジタル画像となった。粒子の粗いモノクロの赤ちゃんの画像だ。文字通り、これが私たちの世界を見る目を変えてしまった。これによって、フィルムに記録される滑らかな画像は粉々に砕け散ってしまったのだ。

キルシュの功績もあり、方形ピクセルは一般的なものとなり、世界の輪郭は少しだけ荒くなった。

現在、81歳の老境に達したラッセル・キルシュは、罪悪感を引きずるのを止めて、己の「過ち」を正す決心をした。

キルシュの方法はこうだ。方形ピクセルにひとつずつ6×6ピクセルのフィルターをかけ、コントラストの差がもっとも大きくなる2つのエリアに分ける。そしてそれぞれのエリアに異なる2つのマスクをかける。ひとつは、マスクを2つに分けている境界線を2つのラフな三角形に変換する。もうひとつは、境界線を2つのラフな四角形に変換する。このとき、プログラムは2つの異なるフィルタを試す。ひとつはコントラストの境界線を大まかな三角形にするもの、もうひとつは境界線を大まかな四角形にするものだ。さらに、6×6のエリア内でコントラストの差がもっとも大きくなるようにマスクを回転させる。そして、分けられたほぼ同等のピクセル同士が融合される。

下の写真は現在の彼の息子(53歳)の写真だ。キルシュの新しい可変形状ピクセル方式を使っている(右側)。

squarePixel_1b.jpg

[ありがとう、John!]

Circling the square

- Gareth Branwyn

訳者から:Russell A. Kirsch(ラッセル・A・キルシュ)は、アメリカ規格基準局で最初のデジタルコンピューターの設計製造を行ったチームのメンバー。1951年から約30年間、人工知能、自然言語処理、図書館学、タイムシェアリング、生物医療コンピューティング、セキュリティー印刷の研究に携わった。また、彼の研究によって、コンピューターによる画像処理、構文パターン認識、化学構造検索の分野がスタートしたそうです。
アメリカ商務省米国標準技術局のバーチャルミュージアムより。

原文

Posted by Tetsuo Kanai | Jul 9, 2010 01:00 AM
Computers, Imaging | Permalink | Comments (0)

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