オープンソースの3Dプリンタを作るMakerBot創業者のBre Pettisに独占インタビュー:人生、1000万ドルの資金、その先は?

MakerBot Industriesは、2009年1月に、Bre Pettis、Adam Mayer、Zach Smithの3人によって設立され、製造の民主化を目指してオープンソースの3Dプリンタを売り出した。注文して、組み立てれば、ほぼなんでも作れるマシンのオーナーになれる。何年も前にボクは、Breがまだシアトルに住んでいて公立学校の教師をしていたころに彼と出会い、Makeに引き込んだ。その後、彼はEtsyに移り、自分のテレビ番組を始めて、MakerBotを立ち上げた。そして、1000万ドルの出資金を獲得して、今、パパになったばかりだ。出資金を得たという報告を聞いたとき、ボクは、それがMakerや他の業者に対する影響について、厳しく追求したいとBreに申し込んだ。そしていつものとおり、Breはすべての質問に、かっこよく優雅に答えてくれた。Breにしかできない芸当だ。質問は、Make時代のBreに関することからMakerBotの将来にまで及ぶ。それではお楽しみください!

Maker としての Bre

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あなたのことをよく知らない人のために、自己紹介をお願いします。
私は Bre Pettis(ブリー・ペティス)。人々が創造的になるためのインフラを開発するのが自分の天命だと思っています。秘密の小物入れになる本からホバークラフトまで、物の作り方を教えるチュートリアルビデオもたくさん作ってきました。数年前、Zach SmithとAdam Mayerと私は、誰でも手が届く3Dプリンタを作るためにMakerBotを立ち上げました。

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まずは、おめでとう! パパになったんだよね! ずっと物を作り続けてきた人が父親になるって、すごくうれしいことだよ。これまで、MakerBotで子供たちのために作ったものって、どのくらいある?
MakerBotの仲間に子供ができたことを知らせたとき、Botcaveのみんなは即座に、「オモチャを作ろう!」と反応したよ。これまでに、娘のためのメガネをプリントした。これからもっといろいろプリントするつもりだよ。娘のNikaはMakerBotと共に育って、彼女の人生で、それはごく普通のものになる。1985年以降に産まれた人がコンピュータをトースターと同程度に意識しているの同じようにね。

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週1本のペースでチュートリアルビデオ(Weekend Projects)を製作することと、会社を立ち上げることとの違いは?
何かを作って、その作り方のビデオを製作するのは、何かを達成するための練習だった。会社の創設もアプローチは似ているんだ。いろいろな作業が必要になるんだけど、それらを成し遂げるためにはいろいろ知恵を絞らないといけない。正式な経営の教育を受けていないから、MakerBotをビジネスに育てあげる行程は、急いで何をどうしたらいいかを考えながらやっつけて、すぐに公開するという、DIYと同じだった。ひとつ、MakerBotでよかった点は、その楽しみが1週間以上続いたってことだね。

Breの顔を毎週ビデオで見られなくなって寂しいよ。もうやらないの?
MakerBot TVというのを始めたところだよ。Anneliseがプロデュース、撮影、編集、出演までしていて、すごくいい仕事をしている。購読してね。ビデオのアドベンチャーが広がるよ!

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この前、「The Colbert Report」に出演していたけど、その反応は? 道ですれ違った人に「やあ、3Dプリントのおじさん!」とかって言われない?
Colbertはいい人だった。MakerBotにメチャクチャはまって、教え甲斐のある人だったよ。
ボクの顔が覚えられることで、いいことと言えば、道でボクに出会ってボクとわかる人は、きっとMakerで、面白いものを作っている人だとわかることさ。こんなふうに会話が始まるんだ。

Maker:あんた、Bre Pettisだろ!
ボク:そうだよ。ボクを知ってるってことは、何か作ってるね。何を作ってるの?
Maker:週末にヨットに積むためのバラストをコンロで溶かしてるよ。大したことじゃないけど。
ボク:すごいね! もっと聞かせてよ!

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今、MakerBotではどんな役割を果たしてるの? この数年間で、どんな変化があった? 会社が大きくなって、どんな感じ?
最初は、ZachとAdamとボクだけで、ナットやボルトの数を数えたり、パッキングから発送まで、全部3人でやっていた。今は専業化してるよ。Zachは製造の責任者、Adamはソフトウェア部門の責任者でCEO。ボクはそのほかのすべてを管理している。マーケティングや広報なんかもね。今回の出資を得て、Brad Feldを役員に迎え入れた。ボクたちはMakerBotの将来についてあれこれ話し合って、いい関係でやってるよ。

ビジネスについて

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MakerBot にはどれくらいの従業員がいるの?
51人だけど、増え続けてる。もっと雇うよ!

組織図はあるの? 会社はどんな構成になってる?
従業員が30人に達したとき、部門に分ける必要が出てきた。生産、研究開発、ソフトウェア、サポート、マーケティング、経営の各部門を作ったんだ。この夏には教育的奉仕活動の部門も作った。学校や子供たちにMakerBotを使ってもらうためのね。ボクは元教師だから、子供たちの創造性を育てることは、MakerBotのDNAに刻まれてるんだよ。

MakerBotでいちばん厳しい仕事ってなに? 人を雇い入れるのって大変?
今のところ、ウェブデザイナー、プログラマ、幾何学ギーク、セールスの専門家を探してる。CraigslistやAdafruitの求職掲示板にも求職情報を出して、面接や書類選考をやってる。それぞれの仕事に最適な人材を雇うためには、面接の前に書類審査が重要なんだ。ウチの場合、インターンや、すでにMakerBotのオペレータをやっているという人物を雇うことができるから、ラッキーだよ。若い人たちを、有給インターンシップで仮採用することを大切に考えているんだ。今の従業員の半数はインターンを経験したか、MakerBot のオペレータだった人たちだと思うよう。

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MakerBotsはこれまでに何台売れたの?
6000台近く。はやく「9000台越えたよ!」と言いたいね。

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完成品とキットとどっちが多い?
完成品の人気が上がってるね。キットを作るのが好きじゃない人や時間のない人には「完成品のMakerBotをどうぞ」と勧めてる。完成品のいいところは、それを買ったときに、作った人から直接、最初のプリントをいっしょに指導してくれるから、すぐに使い方がわかるようになるというところにあるんだ。

儲かってる?
古典的な言い方をすれば儲かってるってことになる。支出以上に収入があるからね。でも、収入のすべてをまたビジネスに投入して、もっと多くの人を雇って会社を大きくしようとしているんだよ。

競争相手として、どんな会社や製品を想定してる?
ちょっとした競争は、MakerBotをよりよくしようという動機になる。MakerBotオペレーターも、よりよい 3D プリントができるように頑張るしね。

会社を経営する上で、いちばん大変なことは?
初めて出くわす障害を克服しなければならないことだね。だけど、そこが面白いところでもある。学ぶことがなければ、楽しくないからね。

3Dプリンタという複雑なキットのサポートは、どうやってる?
すごく優秀なサポートチームがあるんだよ。マシンの隅から隅まで知っていて、問題点がすぐにわかる。売り上げが伸びるごとに、サポートを強化してきたんだ。

完成品でもっと価格の安いMakerBotを出す予定はない?
今も完成品を売ってるよ。それが3Dプリントのいちばんの近道さ。マシンは2つのバージョンがあって、電子系統は4バージョン、エクストルーダは7バージョンある。もうすぐソフトウェアの26個めのバージョン、ReplicatorGを発表するよ。リリースは早めに頻繁に行うようにしてる。MakerBotがもっと使いやすくなるように、いつも改良を重ねているよ。開発当初からの目標が、製造の民主化と、世界中の机の上に製造マシンを届けることなんだ。子供たちにも使えるようにしたい。ボクが11歳のときにMakerBotがあったら、世界はどんなに違ってただろうと思うよ。だから、学校に通うすべての11歳の子供にMakerBotを使わせてやりたいんだ。

生産や供給の遅れにはどう対処してる?
供給チェーンの管理は本当に難しい。世界には、遅延や配送問題や質問しても答えない人たちでいっぱいだよ。遅れに対しては、在庫を増やすことで対処している。つねに余分な在庫を持っておくことで、品切れにならないようにしているんだよ。供給チェーンはまったくややっこしい。即座に発送できるように確実に品物を揃えることって、テトリスをやってるような感じだ。

Makerbotは、もっと「垂直的に統合」して、オープンソースの3Dモデリングツールを開発したり開発を支援したりということはしないの? Blenderはいいメッシュ型CADモデリングツールだけど、ソリッド型で優れたツールがない。MakerBotで作ったりしない?
ソフトウェアの開発は今は考えてないけど、ブラウザで使用するTinkercadや3DTinといったツールが、どのようにウェブベースのモデリングをやっているかにはすごく興味があるよ。

MakerBotを店頭販売する計画は?
去年、MakerBotの正面の部屋をショップにしたんだけど、楽しかったな。またやると思うよ。

MakerBotを置くとしたらどんな店がいい? ホームセンターみたいな? アップルストアみたいな?
認知度が高くなったら、MakerBotは普通の電動工具や家電製品と同じように扱われると思うよ。どこでも売られるようになるだろうね。ラジオシャックでもね!

5000ドル以下のデスクトップ3Dプリンタがあったけど、それは失敗したよね。何がいけなかったんだと思う?
間違ったことをしたとは思わない。きっと時代が早すぎたんだよ。

1000万ドルの出資金

MakerBotは、オープンソース企業として、ChumbyとBug Labsと合体して、VC(ベンチャーキャピタル)を手にした。通常、知的所有権を放棄するオープンソースハードウェアでは、出資を受けないことが多いけど、どうしてVCを受け入れることにしたの? 友だちのネットワークを広げていくことで、より多くの人とつながれるようになる。VCもそのひとつだよ。会社を作ったら、少なくとも共同創設者のひとりは外に出してネットワーク作りをさせるべきだ。考え方や経歴の異なる、違う分野ですごいことをしている人たちを探すんだ。人に助言を求めることを恐れてはいけない。それから、ちゃんとお礼することも大切だよ。


オープンソースの3Dプリンタに、どんな言葉を使って出資をさせたの?
ボクたちの口説き文句は簡単なものだったよ。MakerBotの話をしただけさ。ボクたちのビジネスは成功している。しかも独力で利益を出してきた。未来も明るい。ウェブサイトを立ち上げようという人たちにはビジネスプランがない。しかしボクたちは実際に利益を上げていたし、ビジョンも具体的なビジネスプランもあったから、投資家はこっちに向いてくれたんだ。
ほとんどの投資家は、大胆な冒険で世界を変えてきた人たちだ。投資家の中にロックスターの名前もあるのが誇らしいよ。ボクたちのゲームがステップアップしたことも嬉しいね。

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この出資を受けて、オープンソースハードウェアへの関わりは変わった?
出資によってオープンソースの考え方が変わることはないよ。今成功している戦略を変える必要はひとつもないからね。オープンであることが、製造業の未来であり、ボクたちはその共有時代の幕を開けたんだ。将来は、顧客との共有を拒否する企業のことを思い出して、よくそれでやっていられたと思うようになるだろうね。
ボクたちは、共有したいという衝動から、オープンソースの根幹に関わっている。ユーザや世界と共有することで、自然で前向きな効果が得られると知っているんだ。
ボクたちの代わりに心配してくれる人たちは、オープンソースハードウェアの会社だからいつかダメになると考えているんだと思う。だけど、オープンハードウェアじゃなくたって、いつでも企業は潰れている。本当の競争力を得るには、オープンに固執するしかないんだ。

投資家たちは、自分が何に投資しているかわかっているの? オープンハードウェアは、普通は投資の対象ともなる知的所有権を手放すことだからね。誰でも自由に MakerBot を作れるということを、彼らはわかってる?
投資家たちは、ボクたちの革新性とビジョンを実現させる力に投資しているんだよ。オープンソースであるということは、ユーザが最大の協力者であるということ。オープンソースハードウェアは非常に有効なビジネスモデルなんだよ。

一般のVC企業は、投資した会社を他の企業に売るか株式を公開させることを目指すものと思うけど、彼らはMakerBotをどうしたいと考えてる? Breはどうしたいと思ってる?
ボクたちは、世界中にMakerBotを行き渡らせて、世界をもっと革新的にすることを目標にしている。我々が生き残るためには、もっともっと革新が必要だよ。MakerBotを手にすれば、どうしたら革新的になれるかがわかる。そして自分の手に製造力が備わるんだ。いたるところにいるクリエイティブな人たちが、欲しい物を自分で作るように促すのがボクたちの使命だ。個人製造技術の未来を、すべての人にとっての現実にするために、ボクたちはアクセル全開でやっている。

1000万ドルで、今までできなかったことをする?
MakerBotへの投資で、人を雇うための資金ができて、欲しいものがもっと簡単に作れるように、さらに革新的な研究を進めることができる。事業のスケールも違ってくる。ハードウェア企業として、お客さんにいち早く製品を出荷できるようにするために、在庫に投資する必要がある。

みんなの手に3Dプリンタを行き渡らせるのに1000万ドルで足りる?
でっかくスタートを切るためには十分だよ。

この投資によって、もっと競争相手が増えるだろうか?
たぶん。気をつけないとね。楽しいけど、ハードウェアのビジネスは厳しいよ。競争力のあるビジネスを立ち上げることは、大きな賭けだからね。

これで自由に使える「現金」を手にしたわけだけど、特許を巡る争いが起こったりしないだろうか。MakerBotは特許とは無関係? それとも、1000万ドルのほとんどが弁護士代に消える? これまでMakerBotは小さな会社だったから相手にされなかったけど、もう違うでしょ?
この前、あるコンポーネントを開発したんだけど、市販はできなかった。自分たちで考えたものなんだけど、特許のある設計によく似ていたからだよ。その特許を持っている企業から、ボクたちのことを細かく見張っているという手紙をもらった。防衛のために特許に投資するとしたら、自分たちを守りながらオープンハードウェアのコミュニティの革新性を阻害しないようなライセンスを考えないといけない。オープンハードウェア企業が、所有権を主張する現代の特許システムから我が身を守りながらオープンソースの未来を生きる方法を考えるのは、すごく難しいことだよ。

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Thingiverse の役割は大きいと思う?
この秋、Thingiverseを通してすごいことをやるよ。お楽しみに。Thingiverseが自然に成長しているのはうれしいことだ。Thingiverseで新しいものをチェックするのが、ボクの今の楽しみな日課になってる。

MakerBotでは切削加工機(CNCフライス盤やルータ)や、マニピュレータ(ロボットアームなど)を作る予定は? それができる資源はあるでしょ?
世界はもっとロボットを欲しがっているけど、ボクたちは一歩ずつ進まなければならない。MakerBotの最初のステップは3Dプリンタをもっと簡単で安くして、世界中のクリエイティブな人たちに届けることだよ。

質問に答えてくれてありがとう。ボクは本当にキツイ質問もしたんだけど、それは答えてもらえなかった。EEVblog のDaveが面白いビデオを公開しているので、そちらもどうぞ。

- Phillip Torrone

訳者から:質問と答えがちょいとちぐはぐしているけど、ま、そんなもんでしょ。

原文

Posted by Tetsuo Kanai | Oct 19, 2011 01:00 AM
3D printings, Interviews | Permalink | Comments (0)

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