Archive: Biology
March 24, 2010
How-To: ラジコンヘリでクジラの潮を集める

先日、クジラの骨の病気を研究するための検体を採取する方法について、みんなのアイデアを募集したんだけど、アマチュアのクジラ病理学研究者がこんなにいたとは、知らなかった!
ともかく、みなさんご承知のとおり......知ってると思うけど......、野生のクジラの血液を、クジラを傷つけたり殺したりせずに採取するのは、ものすごく難しい。しかし、子供でもわかることだけど、生きたクジラの血液の次に有用な検体はクジラの潮(英語ではsnot=鼻水)だ。クジラが息を吐くときに一緒に吹き出されるから、これなら簡単だ。
- まずクジラを見つける。
- クジラの噴気孔の上にシャーレを保持して、潮を採取する。
- 研究室に持ち帰って調べる。
現実にはステップ2がいちばん難しい。手こぎのボートに乗ってクジラの群れに近づいて、容器を掲げて待つという方法をすぐに思い浮かべるだろうが、これは想像以上に危険な行為だ。毎年、何百万という科学者がこの方法を試して命を落としている。太平洋岸の砂浜には、いたるところに科学者たちの白骨が散らばっているのだ。
ロンドン動物学協会のDr. Karina Acevedo-Whitehouseを見てほしい。動物保護に関する彼女の最新の報告書がある(要約はこちら(英語))。「野生のクジラの疾病調査のための画期的な非侵襲性ツールと保護活動におけるその妥当性」という魅力的なタイトルだ。模型のラジコンヘリにシャーレをぶら下げてクジラの潮を採取するという方法を紹介している。この革命的な方法は、クジラの病気への理解をより深めるばかりでなく、多くのクジラの命を救うことができる。これによって、Dr. Acevedo-Whitehouseは、今年の(イグ) ノーベル賞候補間違いなしだ。
追伸: Dr. Acevedo-Whitehouse 様、あなたの業績は素晴らしい。まだ一度も会ったことがないし、これから会うこともないだろうけど、心の底から愛してます。
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Mar 24, 2010 12:00 AM
Biology, Green, Science |
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March 11, 2010
Project Noah: 生命体と生息域のネットワーク

Project Noah(プロジェクトノア)は、自然を愛する人々が家の周りの生物を観察して記録できるフリーのモバイルアプリケーションだ。各地の市民科学者の力を結集できるよう、共通の技術プラットフォームを提供している。Noahは、Networked organisms and habitatsの頭字語だ。
現在、iTunesのiPhoneアプリ [iTunes link]で世界中で手に入る。Project Noahが目指すのは、世界の生物を記録するための共通モバイルプラットフォームになることだ。このiPhoneアプリを使えば、現在行われている市民科学者による調査プロジェクトに参加でき、いくつかのミッションに従って活動できる。またこのアプリを地域ごとのフィールドガイドとして使うこともできる。参加者は、調査報告の取りまとめを行うオンラインコミュニティーに接続される。
このプロジェクトは最近注目を集めており、Council for the Internet of Things、IBM's Smarter Planet、GOODなどでも取り上げられた。また、これを教育ツールとして役立てようと、学校との予備実験が行われるようになった。
- Peter Horvath
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Mar 11, 2010 12:00 AM
Biology, Cellphones, Mobile, Science, iPhone |
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December 2, 2009
クトゥルフの呼び声?

これはもしかして、何の気なしに面白ネタとして書いたら、みなさんのような本物の科学者から怒られちゃう類の話かもしれない。なので、まずはどうか、これが単なる面白ネタであることをご理解いただきたいと思います。とは言え、すごく面白い事実が語られています。
1997年夏、NOAA(米国海洋大気庁)は海中からの非常に大きな音を繰り返し感知した。冷戦時代にソビエトの潜水艦を監視するために設置された水中聴音器が捕らえたものだ。「さまざまな海洋生物が発する周波数の特徴を持っているが、現在知られているどの生物の声よりもずっと大きい」 とボストン大学の海洋生物学者 、Phil Lobelは語った。噂では「生物から発せられた音である可能性が高いことに同意した」 とも言われている。しかし、彼の意見は少数派である(どちらの引用もCNN.comのこの記事より)。音の発信源は、南緯50度、西経100度のあたりと特定された。ここは、ラヴクラフトの小説に出てくる海に沈んだ都市ルルイエの位置(南緯48度、西経123度)と重なる。もっとも、経線上では1,000マイルも離れてるんだけど。 [ありがとう、 Maredith!]
問題の音 "The Bloop" の早回し版をNOAAのサイトで聞くことができます。こちらをどうぞ。
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Dec 2, 2009 12:00 AM
Biology, GPS, Science |
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November 10, 2009
ハダカデバネズミががんにならない理由

現在、科学の分野でも詐欺事件がバカみたいに多い。なかでも、がん研究というおいしい分野では、とくに被害が多いようだ。今これを書いている間も、私は、「サメはがんにならない」という言葉が気になっている。藁をもすがりたい人たちに対して、サメの軟骨を原料にしたインチキ薬の無責任な宣伝文句だ。あくまで私の意見だが。
聞くところによると、ハダカデバネズミのがん性腫瘍の発生率がきわめて低いそうだ。これは「ハダカデバネズミは絶対に癌にならない」と誤解される恐れがある。誰がハダカデバネズミのがん性腫瘍の調査をしたのか、調査期間はどれくらいか、この調査にはどれだけ力を入れているのか、誰が何の目的で資金を出しているのか、といった説明が必要だ。それでも、下の一文には興味を惹かれる。
本日発表された全米科学アカデミー会報によれば、ハダカデバネズミの細胞にはp16という遺伝子が発現し、これが細胞を「閉所恐怖症」にすることで、この細胞が密集した場合に増殖を止め、膨張を事前に防ぐことがわかった。p16の効果は顕著であり。研究室において腫瘍を誘発するよう細胞を変異させたところ、一般のマウスの細胞は完全にがん化したのに対し、ハダカデバネズミの細胞の成長にはほとんど変化がなかった。もちろん、これはあくまでハダカデバネズミの細胞で起きることであり、そのまま人間に応用できるものではない。とは言え、細胞を「閉所恐怖症」にすることで腫瘍を抑制するというメカニズムはシンプルで魅力的だ。全米科学アカデミー会報オリジナルの抜粋はこちら。
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Nov 10, 2009 12:00 AM
Biology, Chemistry, Science |
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October 9, 2009
セコイアの縦パノラマ写真


木が密集していて遠くから狙うことができない90メートルの木の根本からてっぺんまでを、どうやったら撮影できるだろうか。自然写真家のMichael Nicholsは、特殊なカメラリグを使って、クローズアップをたくさん撮影して、それをデジタルで繋ぎ合わせることで実現した。NPRに完全な話が載っている。[Hack-a-Day より]
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Oct 9, 2009 02:00 AM
Biology, Green, Photography, hacks |
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August 7, 2009
オープンソースの3D DNA折り紙

信じられないくらいクール。
DNA折り紙とは
DNA折り紙は、DNAオブジェクトを構築するためのパワフルな手法です。これは、長い一本鎖のDNAの幹(通常は7000塩基程度の長さ)に、数百本の短い一本鎖のDNAオリゴヌクレオチド(20~50塩基程度)を強制的に、自由な形に貼り付けるというものです。この手法は、Caltechの研究員、Paul Rothemundによって開発され、2006年3月16日、ネイチャーのFolding DNA to create nanoscale shapes and patterns(DNAを折ってナノスケールの形状や模様を作る)という記事で紹介されています。DNA折り紙構造の作り方は、まだあまり一般的ではありませんが、熱変性のあとゆっくり冷ますという方法がとられています。詳しい作り方は、さまざまな刊行物で紹介されています。
caDNAnoはDNA折り紙のデザイン用に作られました
caDNAnoは、DNA 折り紙ナノ構造をデザインするためにAdobe AIRプラットフォームをベースに製作されたオープンソースソフトウェアです。DNA折り紙のデザインを、素早く直感的にできるように開発されました。使い方は、ここで習得できます。プログラムはここでダウンロードできます。デザインのサンプルやソースコードもあります。
このソフトウェアは、いくつかの素晴らしいオープンソースライブラリやリソースの助けを借りています。特に、3DレンダリングにはPapervision3Dを、AS3データ構造とチュートリアルにはMichael Baczynski提供のものを、アイコンにはTango Desktop Projectを、そしてこのウェブサイトには、BlueprintCSSフレームワークを使っています。
caDNAno[@timoreillyより(英語)]
- Gareth Branwyn
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Aug 7, 2009 02:00 AM
Biology, Paper Crafts, Science |
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April 13, 2009
誕生日おめでとう! 甲殻バイオノート君!

過去5年間の Make誌の中でいちばん好きなプロジェクトのひとつが、Vol.10(英語版) に掲載されたTabletop Biosphere。Martin John Brownの記事だ(日本語版では、Vol.4に「ガラス瓶の中の生物圏」として翻訳記事を掲載)。バイト君たちは、このプロジェクトを大いに楽しんだんじゃないかと思う。沼に行って泥んこを救って、熱帯魚ショップの素敵なお姉さんに、絶対にうまくいくはずがないわ、と言われながらもエビを買ってきたり。
私も、このプロジェクトの生物学的な側面が楽しかった。技術系雑誌にちょいとした哲学的なジレンマを投げかけた記事でもあったわよね(この世界を創ったことは正しかったのか? うまくいかなかったとき、この世界に封印された彼らの運命を終わらせてしまうのか?)。今、これを書きながら窓の外を眺め、次に 2007年にインターンたちがきっちりと密封してくれたバイオスフィアに目をやり、思った。この中のエビは、バースデーケーキを欲しがるかしらと。なぜなら、このエビのジョージがビンの中に閉じ込められてから、今日がちょうど2年目になるからだ。彼は今でも健在! だから、お誕生日おめでとう、エビのジョージ! 蓋は一度も開けられていないので、酸素の補給はしていない。小学生の悪ガキどもにビンを逆さにされたこともある。Maker Faires に2回出張したこともある。そしてこれがきっかけとなって、KQEDテレビの番組 "Quest" で、新しいバイオスフィアが創られた。

甲殻類バイオノートの長生き記録がギネスに認定されるかどうかはわからないが、このエビの寿命は1年程度だろうと思っていた。バイオスフィアも3~6カ月でダメになると予想していた。でも、驚くべきことに、それよりずっと長持ちしている。この輝かしい日を迎えるにあたって、私は、編集者やバイト君たちや知り合いたちから、3年目の歴史を刻み始めるエビのジョージに贈る言葉を集めてまわった。
彼らの言葉を紹介しよう。
- Make編集長 Mark Frauenfelderの言葉。「この困難な時勢にあって、知恵と勇気に満ちあふれるジョージは、我々に希望を与えてくれる。ジョージに長寿を!」
- Makeの元インターンのMatthew Daltonは、ジョージの誕生日であることを伝えると、感極まってこう応えた。「行け-、ジョージ! みんな応援してるぞ! すごくうれしい。彼はボクの子供なんだ(涙)。たくさんのエビの中から彼をすくい上げたときのことを、覚えているよ。彼は、愛に溢れた家を求めているように見えたんだ。ホントに、最高のエビだよ!」
- Makeのクリエイティブディレクター Daniel Carterは、最初は信じられないという顔を見せた。「ウソだろ。あのチビ助がまだ生きてるって?」そのすぐあとに、彼はジョージの人生の映画化権の獲得を決意した。さらに、フォトエディターのSam Murphyもそれに乗ってきた。「新しいマスコットの誕生よ! 修理屋ジョージ! 彼の背景ストーリーを作りましょう。Shawnのコンピューターが発した電磁波を浴びたジョージは、Makeのすべての情報を吸収してスーパー・シュリンプになるのよ」
バイオスフィアを作ったことのある人、または、びっくりするような結果を出した人がいたら、コメントでその話を聞かせてね。
誕生日おめでとう、ジョージ!
- Shawn Connally
訳者から:

2年前、ボクも娘と作りました。大きなビンを2つ買って、近くの公園にある、農薬を使ってなさそうな体験学習用の田んぼから泥を採取してきた。中には水草だけを入れた。なんか生き物が湧くだろうと期待してエビは入れなかったんだよね。しかし、なにも生まれず。でも、あれから2年。日当たりの悪いところに置いたビンはドロドロになっちゃったけど、日当たりのよい場所に置いたほうは、今でも水が透明で水草も緑を保っている。エビ、入れておけばよかったー。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Apr 13, 2009 12:00 AM
Biology, DIY Projects |
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