Archive: Maker Pro
January 18, 2012
Best of MAKE: クラウドファンドの年
Makeでは一般的な用語を使うべきなのだろうが、今のところ、我々にとって「クラウドファンド」は、基本的に「Kickstarter」と同義語だ。Make Onlineのアーカイブだけでも、Kickstarterで検索すると100本の記事が出てくる。初めて記事にしたのが2009年10月だった(MakerBeamのプロジェクト)。これに対抗できるメジャーなクラウドファンドのサイトとしてMakeで大きく扱われたのは、IndieGoGoだけで、記事の数は8本。そのうち、当時資金を募集中のプロジェクトとして直接リンクを張ったのはひとつだけだった(結果的に目標額には達しなかった)。
というわけで、建前はともかく、この記事は、Makeが見たKichstarterの1年という内容になる。2009年、マンハッタンに設立されたKickstarterは、その年、Make Onlineに掲載された記事は4本だったが、2010年には33本となり、2011年は62本を数えた。これには、ちょっと触れただけのものや、プロジェクトへのリンクがないものは含まれていない。また、特定のプロジェクトの続報記事も除かれている。2011年、Makeには24のKichstarterプロジェクトが紹介された。そのうち、Greg LeyhのLightning Foundryと、Eric StrebelのSolar Voxを除くすべてで、出資金が目標額を越えた。
もっとも多くの資金を集めたもの

2011年最大のKickstarterは、我々が定めた6つの基準のうち3つでトップとなったBrook DrummのPrintrBotで決まりだ。500ドルのFDM/FFFプリンタキットで、2011年の12月17日までに830,827ドルを集めた。この年、Makeが記事にしたプロジェクトの中で最高額であっただけでなく、Kickstarter史上2番目の額となった(Wikipedia調べ)。
- 830,827ドル -- Printrbot: 初めての3Dプリンタ (Brook Drumm) -- Makeの記事
- 259,293ドル -- HexBright オープンソースの懐中電灯(Christian Carlberg) -- Makeの記事(英語)
- 131,220ドル -- The Oona: スマートホン用スタンド (Sam Gordon) -- Makeの記事(英語)
- 114,796ドル -- Romo- スマートホンのロボット(Romotive) -- Makeの記事(英語)
- 96,248ドル -- Trebuchette - はめ込み式卓上投石機(Michael Woods) -- Make の記事(英語)
もっとも驚きだったもの

私が言うところの「驚き」とは、目標額をどれだけ超えたか。たとえば、PrintrBotの目標額は25,000ドルだったが、最終的に830,827ドル、つまり3300%となった。額もトップなら、超えた額もトップだ。その次は、Andrew HydeのRecord Monsters(上の写真)だ。レコード盤をレーザカットして虫や動物のモデルを作るという比較的素朴なプロジェクトだ。集まったのは15,000ドルに過ぎないが、目標額が500ドルだったと聞けば驚くだろう。
- 3,323% -- Printrbot: 初めての3Dプリンタ (Brook Drumm) -- Makeの記事
- 2,950% -- Record Monsters - レーザカットで作るレコード盤パズル (Andrew Hyde) -- Makeの記事(英語)
- 1,312% -- The Oona: スマートホン用スタンド (Sam Gordon) -- Make の記事(英語)
- 836% -- HexBright オープンソースの懐中電灯(Christian Carlberg) -- Make の記事(英語)
- 739% -- Project ShapeOko: 300ドルで作れる CNC マシン(Edward Ford) -- Makeの記事
ひとりあたりの出資額がもっとも多いもの

PrintrBotが460ドルでトップになった3つめのカテゴリー。後援者の人数で総出資額を割った平均出資額だ。第2位はEric Aganのisostick。ハードウェアレベルで光学ドライブをエミュレートできるUSBメモリだ。これがあれば、ネットブックなどのデバイスにOSをインストールするためにUSB外付け光学ドライブをいちいち持ち歩かなくてもよい。去年の7月、私も isostick に225ドルの出資を行った。つまり、159ドルの平均額よりも多く貢献しているわけだ。このプロジェクトに関するその後の経過については、この記事の最後を見てほしい。
- 459.53ドル -- Printrbot: 初めての 3D プリンタ (Brook Drumm) -- Makeの記事
- 158.97ドル -- isostick - USBメモリの中の光学ドライブ(Elegant Invention) -- Makeの記事
- 122.56ドル -- The Lightning Foundry(Greg Leyh) -- Makeの記事(英語)
- 108.11ドル -- Solar Vox パーソナル USB 太陽光充電器(Eric Strebel) -- Makeの記事(英語)
- 99.65ドル -- Romo- スマートホンのロボット(Romotive) -- Make の記事(英語)
ひとりあたりの出資額がもっとも少なかったもの

このカテゴリーのトップ2つは、奇遇にも同じカメラのレンズキャップをなくさないためのシステムだった。ひとつは私自身が記事を書いた。もうひとつはAdamが書いている。レンズキャップに関しては、多くの写真愛好家に共通する、よほど大きな問題になっているようだ。またこのカテゴリーには、2つのアート系プロジェクト(Matthew Goodman の Playa Time-Laspムービー と、Sandy Antunesの宇宙カリオペ)が含まれている。このランキング全体では、このほかすべてが技術開発系のプロジェクトで占められていることを考えると、興味深い。
- 21.60ドル -- カメラレンズのキャップホルダ(Mark Stevenson) -- Makeの記事(英語)
- 26.09ドル -- The Nice Clip - ユニバーサル・レンズキャップホルダ(Nice Industries) -- Makeの記事(英語)
- 32.04ドル -- Playa Time-Lapse 2.0(Matthew Goodman) -- Makeの記事(英語)
- 33.52ドル -- The Oona: スマートホン用スタンド (Sam Gordon) -- Make の記事(英語)
- 36.58ドル -- Capturing the Ionosphere: 電離層カリオペ(Sandy Antunes) -- Makeの記事(英語)
もっとも後援者が多かったもの

私は2011年の「総合次点」として、Sam GordonのOona: 自由に組み立てられるスマートホンスタンド・システムを推挙したい。PrintrBotと同様、我々が考えた6つのカテゴリーのなかの「もっとも多くの資金を集めたもの」と「もっとも驚きだったもの」など4つのカテゴリーで上位5つに入っている。しかし、これが一位に輝いたのは「後援者の多さ」ただひとつだった。「ひとりあたりの出資額がもっとも少なかったもの」でも4位に入っている。後援者ひとりの平均出資額は33.52ドルだ。
- 3,915 -- The Oona: スマートホン用スタンド (Sam Gordon) -- Makeの記事(英語)
- 3,156 -- HexBright オープンソースの懐中電灯(Christian Carlberg) -- Makeの記事(英語)
- 1,876 -- Trebuchette - はめ込み式卓上投石機(Michael Woods) -- Makeの記事(英語)
- 1,808 -- Printrbot: 初めての3Dプリンタ (Brook Drumm) -- Makeの記事
- 1,152 -- Romo- スマートホンのロボット(Romotive) -- Makeの記事(英語)
もっとも意欲的だったもの

世界最大のテスラコイルで自らの記録を塗り替えようとしたGreg Leyhは、Makeが紹介した Kickstarterプロジェクトの中で群を抜く目標額を掲げていた。第2位のプロジェクトの7倍以上だ。ご想像どおり、目標金額を集めることはできなかった。12月10日の締め切り時点で1割をわずかに超える程度に止まった。しかし、Gregの大いなる野望には拍手を贈りたい。じつに途方もない計画だったからね。
- 348,000ドル -- The Lightning Foundry (Greg Leyh) -- Makeの記事(英語)
- 48,000ドル -- Trebuchette - はめ込み式卓上投石機(Michael Woods) -- Makeの記事(英語)
- 35,000ドル -- Solar Vox パーソナル USB 太陽光充電器(Eric Strebel) -- Makeの記事(英語)
- 33,000ドル -- 日本の放射能探知ハードウェアネットワーク(Marcelino Alvarez) -- Makeの記事(英語)
- 32,000ドル -- Romo- スマートホンのロボット(Romotive) -- Make の記事(英語)
これまでとこれから
2011年にMakeで紹介したKickstarterプロジェクトは24件のうち、目標額かそれ以上の出資金を獲得できたのは21件(87.5%)で、失敗したのは3件だった。 Wikipedia(英語)によれば、全体の出資金獲得率は44%とのことだが、だからと言って、これは私たちが有望なプロジェクトの発掘に長けているという意味にはならない。大抵は、人気が高まったプロジェクトだけが、私たちのレーダーに引っ掛かるからだ。私は個人的に、Kichstarterで目標額を達成したプロジェクトだけを紹介するよう決めている。それは、まだ目標額に達していないプロジェクトを記事で紹介して欲しいというスポンサーからの多くの申し入れに対して、何を載せるべきかと思い悩む気苦労をなくすためだ。
本当に支援したいと思ってプロジェクトに出資する側に話を移そう。私の場合、Kickstarterに出資したことが1回だけある。上にも書いたがEric Aganのisostickだ。8月22日に目標額を達成したのだが、32GB isostickはまだ送られてこない。期限は確約されていないし、事業が始まったこともわかっている。Ericはまめにプロジェクトの進行状況を報告してくれるし、最初の興奮はやや冷めてきたものの、出資したときの気持ちは変わってないし、かならずその報酬を受け取れると確信している。
しかし、これがいいか悪いかは、人によって違うようだ。クラウドファンド革命の興奮の裏には、どうしても醜聞や反動がついてまわる。私がKickstarterに感じている問題は、現在の形では出資者と顧客との線引きが曖昧になっているという点だ。Kickstarterに出資を決めた人たちの大半は、顧客感覚だと思う。しかし、Kickstarterの利用規約には、出資者は投資家であると明記されている。出資に見合う報酬がかならず得られるとは限らないことが表されている。またはそのように暗示されている。それに、プロジェクトの不履行を知らせる明確なフィードバックチャンネルがないことも加味して、私はこう考える。お金に関する問題に共通することだが、健全な懐疑心は常に持っておくべきだ。
Kickstarterに関する体験から意見がある方は、どんどん知らせてほしい。
- Sean Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jan 18, 2012 12:00 AM
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December 26, 2011
HAXLR8R:新規ハードウェア事業のための国際支援プログラム
Cyril Ebersweilerの解説より:
HAXLR8Rは111日間のハードウェア事業に特化した起業支援プログラムです。起業を目指す世界中の人々に適切な援助を行い、そのアイデアを競争力のある現実の事業へと導きます。このプログラムでは、指導、資本金、オフィス、ハードウェア関連サービスとツールの提供、さらに、中国とアメリカの同じ方向性を持つ起業家からなる強力な起業コミュニティへの集中的な参加などを通して、複数のチームを現実的な機能を備えた企業に育てあげます。
HAXLR8Rは、2012年3月から6月まで実施されます。最初の開催地は深圳(Shēnzhèn)です。参加者は、ここで製品の最初のプロトタイプを製作します。または、すでに可動品があれば、ビジネス規模の拡大を試みます。毎週、参加者は、発明、プロダクトデザイン、ソーシング、製造、サプライチェーン、パッケージ、流通、財務、マーケティング、指導者と会い、資金調達などの経験豊かな指導者たちの指導を受けます。
最終週では、サンフランシスコで開かれる大規模なショー、HAXLR8R Dayに向けて、衝撃力のある宣伝方法を学びます。
本プログラムの指導者には、次に示すような蒼々たる著名人が名を連ねています。Brad Feld(Foundry Group)、Mitch Altman(TV-B-Gone)、Bill Liao(Xing/SOSventures)、Bill Warner(AVID/Warner Research)。プログラムの創設者は、Cyril Ebersweiler(Chinaccelerator)、Eric Pan(SeeedStudio)、Sean O'Sullivan(Mapinfo/Avego)の3名です。
10組の起業を目指すチームが選考によって選ばれます。申し込みは1月末まで受け付けています。
- Mark Frauenfelder
HAXLR8R: First International Incubator Program for Hardware Startups(英語)
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Dec 26, 2011 12:00 AM
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December 22, 2011
エコノミスト誌に載ったMakerムーブメント
Image by Andrew Kelly
『The Economist』最新号に、MakerやMakeやMaker Faire、そしてMakerムーブメントの芽生えに関する記事が載った。一流雑誌にこんなタイトルとリード文(下記)が載るなんて、感激だ。しかもビジネス界の権威ある経済雑誌だからね。
More than just digital quilting(単なるデジタルキルティングではない) -- テクノロジーと社会:「Maker」ムーブメントには、科学の学び方や、科学が革新を促進させる形を変える力がある。それは、新たなる産業革命の前兆かもしれない。
オンライン版のこの記事は、署名記事ではないが、非常にわかりやすい明快な文章で書かれている。Makerカルチャーの素晴らしい紹介記事であり、幅広い人々の関心を引くものになっている。
Makerムーブメントは、デジタルカルチャーに対する反応であり、副産物でもある。いくつもの流れが収斂して実現した。新しいツールや電子部品の登場で、物理的世界とデジタルの世界を簡単に安価に融合させられるようになった。インターネット上のサービスやデザイン用ソフトウェアを使うことで、開発や設計図の公開も簡単にできるようになった。毎日、コンピュータの画面で「ビット」と向き合ってきた人たちは、物理的な物を作る喜びに目覚め、異なる分野の愛好家たちと、現実の世界で、直接触れあうようになっている。今はまだホビイストの領域に止まっているが、Makerムーブメントの衝撃は、ずっと遠くにまで響くことになるだろう。
More Than Just Digital Quilting
- Gareth Branwyn
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Dec 22, 2011 01:00 AM
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September 30, 2011
製品開発の扉を開くArduino Leonardo

Arduino Leonardoは、World Maker Faireで Arduinoチームが発表した最新Arduinoのひとつ。Arduino Unoの後継機ではなく、その派生型だ。表面実装パーツだけを使ったシンプルな回路で低価格化をはかった。ボクにとってすごく魅力的なボードだ。
LeonardoのICはATmega32u4。ATmega328の機能をすべて引き継ぎ、SRAMが0.5kだけ増えて、USBポートが実装された。このチップは、すでにArduino IDEでなんとか対応していた(Teensyduino)が、Arduino 1.0 IDEでは完全対応となる。最新ビルドのArduino IDEではまだLeonardoを試していないが、もう少しいじくりまわしてから、改めてレポートしたいと思ってる。
32u4はいいチップだ。手に入りやすいし、328のように品薄になることもない。32u4は同じ価格でUSBが内蔵されているから、高価なFTDIチップを買う必要がない。ということは、Leonardoの価格は20~25ドルぐらいになるんじゃないかな。将来的には、必要なものすべてがオンボードになって、もっと小さくなったArduinoが登場することだろう。
LeonardoはSparkfunのProシリーズのように、すでにハンダ付けされているスルーホールパーツ以外のものは、完全に表面実装パーツのみの構成となった。ヘッダや電源用のジャックはユーザが自分でハンダ付けしなければいけない。この判断は正しいと思う。コストの削減になるし、それに、Arduinoユーザはもう、ハンダ付けに慣れてきただろうしね。それにこのごろは、初心者だって表面実装パーツを使うようになってきている。ボクは、たくさんの人が32u4を使ったオリジナルのArduinoボードを作る日が来ればいいと願ってる。それなりの工具があれば、表面実装パーツはスルーホールよりも使いやすいのも事実。PIDリフローオーブンやレーザカッタがあれば、作業はなお簡単いになる。
これが、完成品として店頭に並べられるオープンソース製品の開発への扉を、どんなふうに開いてくれるのか、それを考えると興奮する。32u4sを1万個仕入れて製品を作る。部品代が安くて回路もシンプルだから、全体のコストが下がり、競争力のある価格で販売できる。Arduinoのフルサポートがあるから、プロトタイプから製品化までの距離もうんと縮まる。
プロジェクトの規模と利用範囲が大きくなれば、32ビット Cortex-M3 ARMプロセッサを搭載したArduino Dueのような製品も準備が整うだろう。これは、開発や学習の範囲をうんと広げるものだ。Arduinoの可能性をさらに拡大する。しかしボクは、より多くの人を大規模なプロジェクトに導く可能性のある Leonardoのほうを期待したい。ボクは、簡単に習得できるものの大ファンなんだ。
オープンハードウェアのシーンはまだ若いが、びっくりするほど多くの人たちが、互いに学び合って、急速にその世界を広げつつある。先日開かれたオープンハードウェアサミットでも、オープンハードウェアのシーンが建設的な方向に進んでいて、その文化の大きな波をすでに起こし始めていることを知って大いに勇気づけられた。
どの店に入っても自由な改造が許されるハードウェアが売られている、そんな日をボクは待ち望んでいる。思い通りの使い方ができるよう改造すると法律違反になるようなものではない。自由に改造する権利が与えられているものだ。ATmega32u4へのArduinoのフルサポートがあるLeonardoは、そんな未来に我々をちょっとだけ近づけてくれる。みんながこれを使ってどんな製品を生み出してくれるのか、じつに楽しみだ。
- Jimmie Rodgers
執筆者紹介:Jimmie Rodgersはフルタイムのハッカー、アーティスト、作家、音楽家、その他なんでも好きなことをやる人。世界中をまわって物の作り方を教えている。オープンハードウェアのキットの開発と販売も行っている。なかでも人気のキットはArduino用の14×9のLEDマトリックスシールド、LoL Shield だ。
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Sep 30, 2011 02:00 AM
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September 27, 2011
クラウドファンドに米政府が期待を寄せている

Makeのエグゼクティブエディター、Paul SpinradはO'Reilly Radarに、クラウドファンドの控除への動きに関する短い記事を載せた。ちょっと抜粋しよう。
私も関わっているクラウドファンド控除の支持活動について、5月にも記事を書いたが、先日、ホワイトハウスは、オバマ大統領が提出した米雇用法案の一環として、米証券取引委員会と協力して、その方向で何らかの措置を行うことを発表した。大統領府科学技術政策局は、ウェブサイトで次のように説明している。
大統領のスタートアップ・アメリカ・イニシアチブの一環として、オバマ政権は、投資家保護と合致する賢明な規制緩和を通してこの資本を解放するよう努力します。つまり、中小企業が株式を公開しようとするときに直面するコストの不均衡を是正し、同時に、公募による「小口」の投資(規制A)を、500万ドルから5000万ドルへ増大させます。これはまた、「クラウドファンド」、つまり小口の投資による100万ドルまでの資金を使った起業を可能にするものです。現在、このパン職人たちや、こうしたガジェット製作者たちのような起業家が、クラウドファンド・プラットフォームで集められた純粋な寄付による数百から数千ドルの資金を利用しています。こうした少額の出資者たちが、ベンチャーの投資家になる可能性を想像してみてください。
いいぞ、いいぞ! オバマ大統領の演説の直後、報道機関との間で行われた電話会議で、米政府最高技術責任者アニーシュ・チョプラと大統領府科学技術政策室次長トム・カリルは、控除を支持すると説明した。少なくとも、100万ドルまで、1件の投資につき1万ドルの上限付きで、公債の売り出しに関する登録手続きを簡素化して費用も下げるという。また、この規制の緩和は証券取引委員会の権限で行えるので、法改正は必要ないはずだとも話している。
全文を読む: Crowdfunding Gets Traction in DC(英語)
この話の背景を知りたい方はPaulの 以前の記事(英語)を読んでください。
- Gareth Branwyn
[原文]
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Sep 27, 2011 12:00 AM
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September 9, 2011
Ultimaker:新しい3Dプリンタがやって来た

オランダで作られている新しいUltimaker 3D プリンタがアメリカに上陸した。MakerBotよりも大きくて速い。開発したのは、2年前にユトレヒトのFab Lab(ファブラボ)で出会った3人のMakerだ。このFab Labは、MITのCenter for Bits and Atomsが世界中に展開しているデジタル製作工房のひとつ。Fab Labユトレヒトの所長、Siert Wijniaが、ウェブデザイナーのMartijn Elsermanと大学院生のErik De Bruijnとともに高速な新型マシンの開発を行ったのだ。
「より高性能な3Dプリンタが欲しかったのです。ビジネスとは別の話として」と語るのはDe Bruijn。彼はこれまでに、オープンソースのRepRap 3Dプリンタを何台か作ってきた。「ここにファブラボがなければ、このプロジェクトはそもそも始まっていなかったでしょう」とElsermanは断言する。

Ultimakerの開発者、Erik De Bruijn(左)、Martijn Elserman(右)、と出荷を待つUltimaker。
Ultimakerのプロトタイプは、去年の12月にブルックリンで開かれたBotacon(ロボットとロボットに近い創造的な人たちの集会)で披露された。Elsermanによると、反応は、「わお、すごい進展だ(個人向け3Dプリンタとして)。これならビジネスとしてもやっていける」というものだった。
そうして彼らはビジネスに踏み切った。3人の共同経営者は、みなオランダの別々の街に住んでいる(De Bruijnはティルブルフ、Elsermanはヘルデルマルセン、Wijniaはハールレム)。Ultimakerは、このオープンソースの3Dプリンタの出荷を4月に開始した。価格は約1,700ドルだが、翌日出荷だと1,900ドルとなる。De BruijnとElsermanによれば、120台以上売れて、現在までに70台を出荷したとのこと。注文してから配達されるまでに4~6週間かかる。売れた数の半分は、国営テレビで取り上げられた影響もあってか、オランダ国内の注文だった。購入者には障害を持つ女性も含まれていた。彼女はロボットアーム用の手をUltimakerでプリントしたという。この新しい手で、小さなキャンディが掴めるようになったそうだ。
MakerBotと同様、UltimakerはABSまたはPLA(ポリ乳酸プラスティック)でプリントできるが、Ultimakerでは、植物由来のPALを使ったほうが高速で、しかも安定的にできる話している。Ultimakerはデザインの面でも高い評価を得ている。ビルドプラットフォームが動くMakerBotと違い、Ultimakerはプリントヘッドのほうが動く。プリントヘッドがMakerBotのものに比べて小さく、ずっと軽量なのだ。さらに、MakerBotは可動部分に取り付けられているモータが、Ultimakerではプリンタのフレームに取り付けられている。こうしたことから、より大きなもの(Ultimakerは約21センチ四方、MakerBotは約13センチ四方)を高速にプリントできるようになった。
プリント速度は、低速運転でもRepRapやMakerBotの優に2倍はあると胸を張る。1月末に書かれたブログ記事"Insane Speeds With PLA on Ultimaker"(PLAを使ったときのUltimakerの脅威的な速さ)では、「移動速度が350ミリ毎秒、押し出し速度が300ミリ毎秒に達した」と公表している。

Aljosa KemperleとBozidar Kemperle親子と彼らのUltimakerとMakerBot(もうすぐRepRap Prusa Mendelも届く)。
しかし、これまでMakerbotとUltimaker 3Dの両方を使い、間もなくPrusa Mendelとして知られるRepRapプリンタも導入するAljosa Kemperleは、MakerBotがUltimakerによって駆逐されてしまうかという問題について、ちょっとあざ笑うようにこう答えた。「ボクは両方とも同じぐらい好きだよ。どっちも気むずかしいマシンだよ」
「オランダっぽいだろ(デザインが)」と語るのは父、彫刻家でインスタレーションアーティストのBozidar Kemperle。彼の住まいはブルックリンのボーラムヒル地区にある。Makerbot本社からわずか1ブロックの距離だ。
「彼ら(Ultimaker)はまったく違う畑の出身だよ」
Bozidarは、25歳で3Dアニメーターの息子に、洞窟のようなスタジオに置かれたMakerBotとUltimakerの保守管理を任せている。このスタジオは、ブルックリンのグリーンポイント地区、イーストリバー沿いの古いガラス工場の中にある。
MakerBot Industriesの創設者のひとりで、ブルックリンのハッカースペース、NYC Resistorの創設者でもあるBre Pettisは、Ultimakerはメチャクチャ速いと認めている。彼はMakeにこう語った。「すごいスピードで動かしている。すごく頭のいいことを、いろいろやってるね」
Pettisは、UltimakerにMakerbotの市場を奪われることはないと考えている。「何かで成功すれば、かならずこういうことが起きる。やり方がわかれば、事業を起こす人たちも増える。3Dプリンタが増えるのは、いいことだよ」
現在、5000台のMakerBotsが世界中で使われていて、今も「Bot Cave」では33人のスタッフがせっせとMakerBotを作り続けている(MakerBotの建物を貸している大家は、賃貸契約に、ここで生産されるロボットはアイザック・アシモフのロボット三原則を守るように、という条件を追加したそうな)。MakerbotのThing-o-matic 3Dプリンタはキットで1299ドルだが、飛ぶように売れているとPettisは話している。最近では、2,500ドルで完成品の販売も始めた。そもそも、1月にアーティスト・イン・レジデンス・プログラムとして始まったMakerBotだが、今では広報係も含むスタッフの増員を計画している。巨大プリンタメーカによる買収の噂は、Pettisも否定している。
3Dプリンタを多くの人が欲しがっている証拠がここにある。イギリスに創設された新企業、eMAKERが作ったHuxleyというRepRapマシン100台が、ウェブサイト、IndieGoGoから500ドルで売り出された。これに対して305件の注文が殺到した。eMAKERの創設者、Jean-Marc Giacalone(33)は、10月か11月に550ドルでもっと多くを発売したいと語っている。Huxleyのマシンは、世界中の個人や企業へ下請けに出すことになっているとGiacalone。イギリスのミルトンケインズにある庭の物置で、自宅勤務のお父さんが立ち上げた会社にしては上出来だ。現在、eMAKERはイギリスのブリストルにある。「こうしたマシンには大きな将来性を感じています」と、Giacalone はスカイプを使ったインタビューで答えてくれた。
PettisもUltimakerのスタッフも、楽観的な見方は共通する。MakerbotとUltimakerは、どちらもオープンソースの推進者であるため、両社とも、互いの技術を無料で分け合っている。事実、UltimakerはMakerBotのReplicator Gソフトウエアを使っている。Ultimaker専用のNetFabb Engine Basicを購入して使うこともできるが、専用ソフトを使うとなると250ドルの出費が必要になる。
Aljosa Kemperleは、Ultimakerのソフトウエアにはまだ改良の余地があると考えている。「ソフトの開発には、あまり力を入れてないようだ。早く出荷したくて、ソフトをポイと放り込んだ感じだ。気持ちはわかるがね」
だが、彼もUltimakerのメカニズムは称賛している。電子系統のベイがプリンタの底に隠されていて、スイッチャやステッピングモータのケーブルは薄い布に包んで木製フレームの角の内側に収めるようになっている。「こういう細かいところまで気を遣う連中なんだよ」とKemperle。
ボストンにあるStratus Technologiesのソフトウェアエンジニア、Dave Durantは、Ultimakerのように洗練された設計の3Dプリンタでも、イライラさせられることがあると訴える。プリントができないので、調整して、分解して、いろいろな部品を細かく調べてから、UltimakerのGoogleグループに相談した。これに対してMartijn Elsermanは、溝付きのロッドにグリスを塗るよう助言。すると、みごと問題は解決された。

Ultimakerは、いずれもっと背の高いものをプリントできるモデルを発売すると話している。
訳者から:Ultimakerは現在予約受付中。完全キットで1,194ユーロ(今なら13万円ぐらい?)。ちなみに、本文で250ドルと書かれていたNetFabb Engine Basic - for Ultimakerは150ユーロ(27,000円ぐらい)でした。送料は、保険付きDHLで日本まで約3万円ってところです。予約はUltimaker Shop サイトからどうぞ。ちなみに、日本のFablab(ファブラボ)については、Fablab Japanを見てください。
- jonkalish
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Sep 9, 2011 12:00 AM
3D printings, Maker Pro |
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August 15, 2011
AutodeskがInstructablesを買収:Makerにとって何を意味するのか

AutodeskのInstructables買収は、先週最大のニュースだった。この記事を書くにあたって、ボクは数日間考えた。Autodeskはインターネット最大のDIYコミュニティに食いついた。リスクは大きいが、その見返りはもっと大きいかもしれない。たしかに、Autodeskはプロユーザのビジネスを拡大させる術は心得ている。しかし、一般のMakerに対してはどうなんだろう。今回は、そこについて論じてみたい。Autodeskのinstructables買収はMakerにとってどんな意味があるのか。
まずは広告と有料アカウントとステップの表示方法について
Instructablesは広告に支えられていた。だからたくさん広告が出てくる。スポンサー主催のコンテストもあった。しかしそれは買収前の話だ。広告少なめですべての「ステップ」を見るためにはPDFをダウンロードしなければならず、それには有料アカウントが必要になる(月額1.95ドルより)。これは広告収入が減少し始めた2008年から2009年に始まったシステムで、スタッフの給料をまかなうためのものだった。これには批判が殺到した。Instructablesは半年で終わるだろうと言う人もいた。しかし現実は逆だった。Instructablesはさらに成長したのだ。ボクがこの話を冒頭にしたことにはワケがある。以上のことはAutodeskに買収される前の話。「広告を増やす」とか「収入拡大を目指す」なんてことは、普通は大企業に買収された後にやることだからだ。
Instructablesにはまだ目立った変化は見られない。広告は、今より減らしてもいいような気がするけど。
Instructablissは、Instructablesからダウンロードしたページを、すべて1つのページにまとめて見せてくれるというサイトだ。ボクも何度か見たことがある。ここでも、すべてを見るためにはログインが必要になる。ボクのログイン情報が別のサイトに送られていないかなど、ハッキリとわからない部分があるので、ボクは利用していない。それより、Instructablesはたっぷりと予算が使えるのだから、本家のインターフェイスが改善されることを期待したい。
多くの人がそうしていると思うが、ボクも広告ブロッカーを使っている。仕事で使うことも多いので、ボクはInstructablesの有料メンバーなんだけど、いつも感じるのは、WordPressみたいにダウンロードして自分のサーバーから見せられるバージョンのInstructablesが欲しいということだ。自分のプロジェクトの「インストラクション」を自分のサイトに作れるパッケージがあれば喜んで買いたい。今すぐには実現しないだろうけど、これについてはあとでゆっくり話そう。どんなものでも、課金や広告は嫌われる。Make本誌に広告が入っていること、Make本誌の購読が有料であること、Maker Faireの入場が有料であることを嫌がる人も大勢いる。
また、一部の「エキスパート」には、簡単で単純な、彼らの言葉によると「just plain wrong」(洒落にもならない間違い)なプロジェクトを嫌う人がいる。念のため言っておくが、これもAutodeskによる買収の前の話だ。すべてのプロジェクトが素晴らしいというわけではない。なかにはパッとしないプロジェクトがあって当然だ。もしボクが10歳だったら、エキスパートたちが顔をしかめるようなプロジェクトをアップしていたと思う。だけど、これだけ多くの人が参加しているサイトなんだから、ごく自然なことだ。Instructablesでは、よりよいプロジェクトの掲載を促してサイトの質を高めようと教育的内容のコンテンツを出すようにもなった。これも、Autodesk前の話。
ボクはこの話を、時間をかけてしていきたいと思う。ボクがここで主張していること(広告のこと、有料アカウントのこと、すべてのステップを見せろということ)と同じ内容のコメントを受けたくないからだ。Revit(Autodeskの建築設計ソフトウェア)とAutoCADとMicroStation(Bentley SystemsのCADソフト)の話もしかり。ここでボクが考えたいのは、今回の買収がMakerとAutodeskにどんな影響を与えるかという点だ。つまりは将来の話だ。今後、Instructablesにこうなってほしいという具体的なアイデアがあれば、Instructablesの要望受付サイトで発言してほしい。では、Makeの話を続けよう。これがMakerにどんな影響を与えるのか。
Autodesk の収益には関係ない
Instructablesは、Autodeskにしてみれば、ほんの雨のひと滴程度のものみたいだ(2010年度の財政状況)。Autodeskの2010年度の収益は17億ドル(地域ごとの割合:アメリカ=38%、ヨーロッパ=39%、アジア太平洋=23%)。Instrucablesの収益がどれほどかは知らないけど、この業界では広告料金は年間数百万ドルで、そのほとんどがネット広告(Google AdSense、有料会員登録、直接的な広告料)であることはみんなも知ってるとおりだから、Autodeskの大きな収入源にはなり得ない。
Instructablesのメンバーはウェブトラフィックも関係ない
Instructablesには約200万人のメンバーがいて、毎月5000万ビューを記録している。トラフィックとしてはかなり美味しい。しかし、Autodeskには広告に支えられているサイトはひとつもない。広告営業チームすらない。さらに、Autodeskは、広告料やCPMの値下げ競争のためにInstructablesを買ったわけではない。またAutodeskはHuffington PostやGawker(どちらもブログメディア)になりたいわけでもない。いったいAutodeskは何を考えているのだろう。
- Autodeskには世界に1000万人以上のユーザがいる。
- 800,000の企業がAutodeskのソフトを使っている。
- 1200万人のデザイナーの卵が訓練を受けている。
- Autodeskのソフトは世界で5万校以上の教育機関で使われている。
- 毎年200万人以上の学生がAutodesk製品で教育を受けている。
- DWF Viewerのダウンロード数は170万にのぼる。
しかし、それらのユーザ(とソフト)を取り巻くコミュニティがない。Instructablesにはそれがある(詳しくは後述)。
Autodesk は自分が何を買ったのかわかっているのだろうか?
AutodeskのCEO、Carl BassがWiredのビジネスカンファレンスに出席した際に、オープンソースハードウェアメーカー、DIY DronesのChris Andersonがインタビューをした。ChrisはWiredの編集長でもある。ビデオの完全版はこちら。このビデオを全部見ると、CarlがMakerの世界について語っている部分が出てくる。
Bassは、カンファレンス後のWired.comのインタビューでも、こう話している。「私たちは、テクノロジーが消費者の中から生まれて、ビジネスに成長していく傾向に気がついた」(詳しくはこちら)
何かの中のひとつを作れるのか? 何かの中の多くを作れるのか? どうやって? どのツールを使って? どのように「始める」のか? 現実から画像をキャプチャして、そこから素早く実体を作るにはどうすればよいか? Carlは、Chrisの写真を何枚か撮影して、ボール紙をレーザーカットして彼の頭を作って見せた。すべてはAutodeskが発表したフリーソフトでできる。
どんなデジカメも3Dスキャナにしてしまうという考えのようだ。今や世の中全体がそっちに向いている。InstructablesやThingiverseのサイトを見ると、現実にそれがわかる。Autodeskもそのゲームに加わらなければ、競争力を失い、彼らのお試しツールセットも注目されなくなる。「デザインの歴史は、他人のアイデアの上に作り上げられてきた」とCarlは話している。そして「何かを作っていたいと思っている人たちの信じられないようなコミュニティがある」という。
Autodesk Project Photoflyは無料ダウンロードできる。「ごく普通のコンパクトデジカメで現実の完成図をキャプチャして、いろいろな目的(修復、高速エネルギー分析、アドオン設計、歴史保存、ゲーム開発、視覚効果、単なる遊びなどなど)に使えます。先進のコンピュータ視覚化テクノロジ、Project Photoflyが実現しました」ギャラリーはこちら
つまり、Autodeskは何を買ったのかをちゃんとわかっている。これはボクの想像だけど、彼はMakerなんだ。Chris Andersonと同じように、彼も副業を始めたということだ。もし、あそこにCarl Bassがいなくて、こうした話をしてくれなかったとしたら、ここへ出てきて何を考えているのかを話せ、とボクは叫んでいただろう。
なぜAutodeskは一声でInstructablesを買ったのか。
Instructablesコミュニティのブログの引用がある。ちょっと意外だったのは、ここの文章に対するコメントも、技術系プレスの反応もなかったことだ。ちょっと抜き出そう。
Instructablesは、123D、SketchBook、Homestyler、Pixlrを開発したチームのコミュニティの一部となります。これは、あらゆる分野の創造的な人々に、クリエイティブなツール、発想、サービスを提供するものとなります。

Instructablesの指導的チームは、Autodeskの人間がああしろこうしろと指図しに乗り込んでくるのを、おとなしく待っていたわけではない。実際はその逆だった。彼らは、123D、SketchBook、Homestyler、Pixlrに魔法をかけようとしたのだ。InstructablesのCEO、Eric Wilhelmは、現在、Autodeskのコミュニティ担当の取締役になっている。広報資料にあるように、Instructablesブランドはそのまま残り、このサイトをよりよくするための予算を充てるということだ。Autodesk製品の説明書代わりに使おうという魂胆ではない。上の写真はInstructablesを運営している人たちだ。屋内のクライミングウォール、エルフの耳、3本の腕の赤ちゃん。それらはAutodeskからもたらされようとしているDNAだ。これからどうなるのだろう。妙なことになりそうだ。
しかし、これはAutodeskの大きな賭けなのだ。彼らは、彼らの無料ツール(その他のツールも)を使って、何百万人もの人々が何かを作ってくれることを願っている。AutodeskはWhat(ソフトウェア)からHow and Why(作って共有する)の企業に生まれ変わろうとしてる。それがAutodeskに何をもたらすのか? 巨万の富だ。そしてその方向へ進むためには、Instructablesでそれを行っているチームを買収する必要があったのだ。彼らは新しいツールをどんどん出したい。我々にも早い反応を期待する。そして、我々がフリーソフトから卒業するか、「ビット」(3Dプリンタ)で作った「イット」に金を払う必要が出てきたころに、何かを売ろうというのだろう。Autodeskは、Makerや物作りのヒーローたちを応援したいと考えている。Instructablesはそれをやっている。Makeもやっている。それはつまり、どの企業も欲しがっているものだが、情熱的なコミュニティだ。
Autodeskの未来はたくさんのフリーソフト
おそらくAutodeskは、彼らのツールの機能を小分けしたり、ウェブソフト化してくるだろう。彼らには、それを試すための、金のかからない方法がたくさんある。どうしてわかるのかって? 数週間前にAutodeskが発表したこれを見てほしい。

123Dは、フリーのソリッドモデリングプログラムです。世界中のデザイナーやエンジニアが使っているものと同じAutodeskの技術を元に作られています。使い方が難しいだろうって? そんなことはありません。Autodesk 123Dには、単純な形を元に、複雑で詳細なモデルへと変形させていく賢いツールがいくつも搭載されています。タダのものが嫌いという方はいないでしょう。無料のモデルもたくさん揃っています。これを叩き台にするもよし、そのまま使うもよし、ただいじくり回すだけでもかまいません。これらの無料コンテンツは、このソフトの検索ボックスから直接探すことができます。123Dサイトの「Get Content」セクションからも入手できます。123Dサイトは、製作活動の中心的な役割を果たします。そこには、あなたのための個人的な製作オプションが揃ってます。また、ツールの使い方やモデリングの方法を教えてくれる仲間、さらにはあなたのデザインを実物に仕上げてくれるパートナーたちとのコミュニケーションの中心にもなります。
無料のアプリをダウンロードして、なにか作って、サービスパートナーで3Dプリントしてもらう。ここに欠けているのは、みんなで物の作り方を考え、アイデアを共有し、ハウツーを公開し、結果を共有し、3Dデータから新しい物を作り出すといった、Instructablesのような巨大なコミュニティとの連帯だ。
Autodeskはプロとの仕事のしかたをよく知っている。それは確かだ。しかし、物作りの初心者や急成長するホビイスト市場を含む、アマチュアとの仕事のしかたはわからない。だからInstructablesを買収したのだ。
Autodeskが売り込みたいと考えている新しいツールの周辺に、どんなコミュニティがあるのか、少し調べてみた。それらは方々に散らばっていて、まとまりがなく、あまり活発でもない。少なくともInstructablesのような盛り上がりはない。その中で、Instructables からきたチームが注目しそうなコミュニティを少しだけ紹介しよう。

123D(上)こうしたツールの周りにはInstructables的なコミュニティができるのは自然なことだ。

SketchBookボクも自分のiPadにこれを入れている。いいソフトだ。Flickrで作品をシェアできる。現在ここには約2000人のメンバがいる。コミュニティ/ブログサイトはここ、http://www.sketchbooknews.com/。しかし、じつに見つけにくいところにある。PDF how-tosもある。しかしステップごとの解説はなく、のめり込ませるような魅力がない。

Homestyler──「インテリアデザインをリアルに表現できる住宅デザインソフトウェアです。ドラッグ・アンド・ドロップで簡単に使えて、ブランド商品のモデルも揃っています。次の住宅用インテリアデザインの仕事は、ぜひ、Autodesk Homestylerの3D環境で行ってください。無料です*。完全なウェブベースで、すぐにインターネットでアクセスできます。*Autodesk Homestylerは無料のオンラインサービスです。Autodesk製住宅デザインソフトウェアへのアクセスを提供します」
共有もサポートもコミュニティパーツも、どれもボクには空虚に見える。
Pixlr ──「Pixlrはオンラインのクラウドベースの画像ツールやユーティリティを集めたものです。現在、このサイトには、Pixlr Editor、Pixlr Express、Pixlr-o-maticという3つのアプリケーションがあります。これらはFlashで作られているため、ご使用になるためにはFlashプラグインが必要です。しかし、98%のパソコンにはすでにFlashプラグインがインストールされているため、通常ならそのままでお使いになれるはずです。また、画面取込ツール、Pixlr Grabberとワンクリックで写真を共有できるimm.io. PixlrもAutodeskの製品群の一部として用意されています。Autodeskは革新的デザインソフトウェアとサービスの世界をリードします」
どこのハウツーサイトでも、作り方の説明を書くときに、オンラインの手軽な画像エディタは必要だ。Autodeskが提供するすべてのツールを、この方向に持って行こうとしているのだろう。Pixlrは、ボクがこれまで見てきた中で最高に強力なFlashサイトだ。ミニPhotoshopが完全にオンラインになったという感じ。しかし、つい最近まで、ほかのサイトでこれが利用されているのを見たり聞いたりしたことがなかった。
とにかく、ボクが考えるに、Autodeskは販売しているツールの小さなサブセットを無料で提供して、何が起きるかを見ているのだろう。彼らの資産には、Instructablesのような、大勢の人間を惹きつける魅力に欠くものあがる。
Yahoo が Flickr を買収したときのこと

ちょっと脇道にそれる。Instructablesの買収について考えていたとき、広告で支えられていて、有料アカウントがあり、そても流行っていたサイトは他になかったかを探してみた。それに当てはまるものとして唯一思い浮かんだのがFlickrだった。大勢の人が自分のコンテンツをアップして利用している(ボクもFlickrでハウツーを作っている)。そしてこれも大手企業に買収された。しかしYahoo!の場合、Flickr買収は、GoogleやMicrosoftなど多くの企業が領地拡大のためにできるだけ多くの企業を買収しようとする中での、攻撃的または防衛的な争奪戦のひとつだった。Yahoo!はカメラメーカーでもないし、Adobeのような画像ソフトのメーカーでもない。検索業であり広告業だ。ボクが覚えているかぎり、Yahoo!のCEOは一度だって画像共有の未来について語ったことがない。Flickrは稼働率が上がり、より多くのログイン経路ができたが、それだけだ。中心となっていたチームは買収後すぐにFlickrを去ってしまった。テック業界では、Yahoo!は失敗したと思われていた。
Yahoo!はFlickrからのDNAは受け付けず、他の資産の改善には役立てなかった。deliciousなどはまったく活用されず、統合もされていない。今や黄昏ている。そこでボクは言いたい。Autodeskは、Yahoo!から「してないけないこと」を学んでほしいのだ。Yahoo!は、Flickrにほとんど手を付けていないのは立派なことだ。しかし、FlickrはYahoo!を変えられなかった。それは本当に残念なことだ。
Maker にとってこれが何を意味するか?
ボクは時間をかけて、Autodeskが何をやろうとしているのか、少なくとも何がしたいのかを理解しようとしてみた。それぞれのサイトに関して技術的な詳細を示す広報発表もないし、非公式なコメントも見あたらない。「Instructablesのメンバーに高価なプロ用のAutodeskソフトを売ってもらいたいんだ」と言ってしまえばそれまでだ。ボクが本当にやりたかったのは、InstructablesのDNAを彼らはどう活かそうとしているかについて、自分の意見をまとめておくことだった。だけどボクのことなんてどうでもいい。問題は、Makerにとって、世界最大のDIYコミュニティであるInstructablesのメンバーにとって、これが何を意味するかだ。それは、いくつかある。
Makerのコミュニティの価値は高い。だから人々は互いに刺激し合い、その巨大なコミュニティを育てようとしているのだ。ツールを作っている企業は、そこでどんな役割を果たすべきかを考えなければならない。Facebookのファンページで「いいね」をするのとはワケが違う。Makerコミュニティの価値は高まった。AutodeskがInstructablesのようなサイトを買収すると、すべてのMakerコミュニティの価値が上がり、企業、ツールメーカー、その他すべての人にとって面白いものになる。Instructablesのようなサイトを運営している人は、今や価値が高い。Instructablesなどに優れたハウツーを数多く提供している人は、今まで以上に価値が高くなっている。
数年前、ボクはHack-a-Dayを立ち上げて、その後、Makeに移った。ブログネットワークのHack-a-Dayの一部はAOLに買収されたからだ。AOLに言われたんだ。彼らは「ハック」という言葉を一掃したいのだと。そして2011年、Autodeskは「ハック」を喜んで受け入れている。
今後は、「Makerムーブメントの産業化」という言葉を耳にすることが多くなるだろう。ここで、Chris Anderson(DIY Drones)の話を引用したい。
AutodeskによるInstructablesの買収は、止まることのないMakerムーブメントの産業化のなかの、さらに大きなニュースとなった。今、目に見えてきたのは、複数の「作る流れ」の実質的な統合だ。オーサリングツールに始まって、デザインハウス、出力サービス、コミュニティ、3Dプリンタと、すべては新しい消費者やMakerサイドのビジネスを狙っている。そうした動きの実例を、2つの主要プレイヤーの製品で見てみよう。これには、最近買収したものや投資したものが含まれる。
- 3D Systems:Alibra(オーサリング)、Freedom of Creation(デザイン)、3Dproparts(出力サービス)、RapMan 3Dプリンタ。大きなコミュニティはまだできていない。
- Autodesk:123D(オーサリング)、Ponoko/Techshop(出力サービス)、Instructables(コミュニティ)。MayaとAliasはハリウッドやゲームの世界での収益構造を確立しているので、デザイン関係では強力。まだ3Dプリンタの会社は買収していない(Makerbot を買収したらどうなるだろうと考えると面白い)。
この他にも、PTCとDassaultが出番を待っている。どちらもプロ用デザインとエンジニアリングのためのツールを作っているが、一般消費者向けの世界にも動き始めている(たとえばPTCは無料のCleo Elementsオーサリングツールを発表したばかりだ。Dassaultは業界のリーダー的存在のSolidworksを持っているが、一般向けの無料オプションはまだない)。
大企業が一般消費者と Maker の世界に価値を認め始めた。これらの企業が成功するためには、もっと我々のようになる必要がある。別の方法ではダメだ。以前ボクは、大企業はArduinoパイの一かけを欲しがっているという記事を書いた(リンク先は日本語)。TIもMicroChipもMicrosoftも、その他の企業も、オープンソースハードウェアを発表し、オープンソースツールを提供し、価値を生み出し、人々に価値を生み出させることが求められる。Arduinoキラーを作りたければ、少なくともArduinoが提供しているものを提供しなければならない。いろいろあるが、いちばん重要なのは100%オープンソースということだ。Makerからすれば、Autodeskなどの企業がMakerムーブメントに加わりたいと思うなら、もっとオープンな製品を出す必要がある。それを我々が使うことで、我々から価値を回収できる。
Makerにとって、この買収は、Maker/DIY 市場区分の成長と活性化を示すものだ。我々はみな、この市場機会を作り上げ育て上げてきたことから、Instructablesの成功に少なからず貢献していると言える。今やAutodeskはMakerコミュニティの一員となった。これは驚くべきことだ。巨大企業が、我々がやっていることの価値を認めたのだから。Autodeskがここでうまくやれたら、他の競争相手も、この巨大なMakerコミュニティと仲良くやっていかざるを得なくなる。これは我々みんなにとって、良いことだろう。より優れた(オープンツール)、よりオープンなライセンス、より多くの共有。なぜって、彼らはそうしなければならないからだ。そして多くの人がそれを望んでいるからだ。
Makerのために、他の企業はもっといろいろなことをしてくれる。Autodeskの競争相手も気づくだろう。今に、我々をサポートしたくなる。Google SketchUp(まだGoogleはこれを大切に思っているとしたら)とSolidWorksは、今どうしたらいいのか、どこを買収すべきかを思案中だろう。MakerBotか、Thingiverseか? CAD市場の向こうにあるサービスを買収したら、きっと話題になるだろう。PonokoとTechShopはAutodeskのサービスサイドのパートナーになっているが、これも他の出力サービス業者にとっては衝撃だったかもしれない。これから市場が再編成されて、新しいパートナー関係が生まれてくるだろう。最後には、もっと多くの企業がMakerを巡って競い合うことになる。
Makerにはこうした買収や競争を嫌う人もいる。そういう人たちはAutodeskが嫌いだろう。というか、独立系のサイトだけしか支持しないかもしれない。それがなんであれ、自分でハウツー共有サイトを立ち上げる人も出てくるだろう。これは良いことだ。これによって、企業はさらなる洗練を求められる。そして、Instructablesよりも大規模で優れたサービスが現れることは確実だ。今はハウツーサイトが少ない。まだまだ参入の余地がある。Makerにとっては、これは喜ばしいことだ。ボクは今でも、標準化されたXML形式でハウツーを吐き出せるハウツーサイトを作りたいと思ってる。それに一歩近づいた感じだ。

もっと多くのプレイヤーが参加する。iFixitの連中は、AutodeskがInstructablesを買収したニュースに震えたことだろう。iFixitの価値は急上昇した。iFixitのバックエンドを使っている、Make: Projectsは、コンテンツサイトというだけでなく、今よりさらに充実したコミュニティサイトに昇格させることもできる。Make: Projects発信のプロジェクトが、もっとたくさんMakeに掲載されるようになったらいいね。そして広告主は、ハウツーサイトにより多くの広告料を払うようになる。その可能性は高い。

ハウツーが最終的には標準化される。今より多くのハウツーサイトや学習サイトが競争するようになると、Makerは自分のプロジェクトのハウツーを好きなサイトに出せたらいいと思うようになる。現在はそれができない。Wikiはテキストなら可能だ。Flickrは写真なら可能だ。しかし、ハウツーサイトに標準化された形式がない。どのハウツーも「ハウツーをエクスポート」をクリックすれば別のハウツーサイトにアップできたり、「ハウツーをインポート」で別のサイトのハウツーのすべてのステップを写真やらなにやら、すべてを秩序だった形で読み込んだりといった風にはなっていない。ボクは今でもWikiを使ってHTMLで自分のチュートリアルを書いている。それは、早々に標準形式ができるだろうと考えてのことだ。それに、世界はどんどんモバイル化が進んでいる。インターネット用の標準形式ができれば、タブレットでも携帯電話でも表示できるようになる。だから、Makerのために、ハウツーのポータブル化に力が注がれるのではないかな。iFixitの連中は、今それをがんばっている。詳しいことは、oManual を見てほしい。
今度はそっちの番だ。あなたにとってどんな意味がある?
自分はMakerだと思ってる? Instructablesにプロジェクトをアップしたことはある? ボクたちは何年もかけてMakerサイトをいっぱい育ててきた。プロジェクトを公開したり(それはほんの一部だけど)、サイトが流行って変化していくのを見つめてきた。そして今、Instructablesは大企業の一部となった。Makerの世界は、Autodeskの動向に注目している。彼らの行動は、良かれ悪しかれ、これからの規範になる。これがあなたにとって、どんな意味を持つのだろう。
最後に、もうひとつ引用してボクの記事を終わらせたい。Tim Carmody(下にスクロールするとGoogle+のコメントを見ることができる)の言葉だ。
片方で、私たちはハードウェアを作るためのツールが使いやすくなり、入手しやすくなり、より民主的になった。もう片方では、より幅広い人たちが使うようになることで企業は潤い、より大きな魚を惹きつけられるようになる。とても魅力的なことだ。ソフトウェアのコーディングやパーソナルコンピュータが引き起こした革命と同じようなことが、また起ころうとしている。
ほんの数十年間で、コンピュータ革命がボクたちにもたらしたものを考えてみよう。20年後、ボクたちMakerはどんなことができるようになっているだろうか。ツールメーカーが、物作りのためのより優れた、より使いやすいツールの開発にしのぎを削る未来を考えてみよう。AutodeskがInstructablesを買収したことが、Makerに何をもたらすか。ボクたちみんなにとって、物作りの環境がますます良くなるということだ。
- Phillip Torrone
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Aug 15, 2011 12:00 AM
Instructables, MAKE Projects, Maker Pro |
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July 7, 2010
Maker Business:SpikenzieLabsの場合

SpikenzieLabsは、彼らの製品Wrap it Up boxの最高に笑えるビデオを公開した。彼らはほかにも、PovardやVoiceShieldなどの楽しいキットを販売している。私は、これらのキットを作った人たちに会いたいと、ずっと願っていたのだが、ついに今年のMaker FaireでMarkとAndyに会うことができた。素晴らしい連中だった。彼らのMakerビジネス物語をどうぞ。
まずは、MarkとAndy自身のことを聞かせてください。あなたたちは何者で、どんな生い立ちで、何がきっかけで物作りを始めたのか。
Mark:私たちは90年代に同じコンピューターショップで働いていた同士の2人組です。数年後、いっしょにベンチャーを立ち上げ、それからずーっと長い間、2人でIT産業に身を置いています。
Andy:物心ついたときから、私は物を分解して中の構造を調べようとしていましたね。子供ながらに、アマチュア無線のオークションに出かけては、あれやこれやを競り落として、何カ月もかけて分解したもんです。あちこちのモーターを焼き切らせて、家のフューズを飛ばして、ネジ回しをいつだって左に回してはエレクトロニクスとご対面していました。
Mark:私の場合、物作りは私が始めたものではありません。私の家族が、いつも何かを作っていたのです。物作りに関して、もっとも大きな影響を受けたのは父ですね。父はなんでも自分で作りました。家具や木の彫刻や、私が「弾」と呼んでいたものまで。父は昔の火縄銃を持っていたのです。その弾丸を、鉛を溶かして型に入れて、自分で作っていました。その弾を、缶入りの火薬と銃に詰めていました。今どき、そんなことをしている人は、ほとんどいないでしょ。もう一人、強い影響を受けたのは、私のベビーシッターの夫であったハンフリーズさんです。第二次世界大戦の退役軍人で、元技術者です。彼は私に、あらゆる分野の技術的な助言をくれました。
SpikenzieLabs 設立のきっかけは? ビジネスを立ち上げるにあたって、もっとも大きな障害は何でしたか?
Andy:SpikenzieLabsはいい会社です。名前もオリジナルだし。その質問に答える前に、もっとよく聞かれる質問に答えさせてください。我々の名前の由来です。Markは高校時代、尖った髪型をしていました。だからみんなから「スパイク」と呼ばれていた。名前は尖ってるけど、すごくマイペースなやつです。店では、金曜日の夕方、みんなで「Metal of Honor」というネットワークゲームで遊ぶのが流行っていて、Markも連合国チームに入ってプレイしていました。彼のキャラクター名は、長年のニックネームである「スパイク」です。そのうち参加プレイヤーが増えて、敵味方のバランスをとるために、Markは枢軸国側にまわることになったのですが、ゲームの舞台はほとんどが第二次世界大戦中のドイツだったので、スパイクを「スピケンジー」と、なんとなくドイツ語っぽい "Sprechen Sie Deutsch?" みたいな響きの名前に変えたんです。そうして、新しくてユニークなニックネームが生まれたというわけです。
Andy:SpikenzieLabsは、Markが自分のアイデアをみんなと分かち合いたいという願いから始まりました。彼はいつでも、インターネットで提供されているさまざまな貴重な情報を、心から有り難いと感謝していました。そこで思ったんです。彼のプロジェクトも、みんなにとって貴重な情報だと。そしてSpikenzieLabsのウェブページを立ち上げました。SpikenzieLabsのプロジェクトのページを公開すると、このプロジェクトはどこで買えるのかという問い合わせのメールがどんどん来るようになって、そこでキットビジネスを始めようと思うようになったんです。
Mark:しばらくすると、SpikenzieLabsにとられる時間がどんどん長くなって、Andyに助けを求めるようになりました。
Andy:我々は、SpikenzieLabsのことを「ホビジネス」と呼んでいます。ホビーから発展したビジネスという意味です。その当時、昼間はまだIT関係の仕事をしていたのですが、キットの箱詰めや部品の注文やキットの発送などに昼間の時間が費やされるようになっていきました。魔法が起きるのは夜です。Markは夕方になるとEagle CadやMicrochips MPLabに没頭していました。
Mark:我々のビジネスのスタイルは、ゆっくりとした成長です。自己資金で運営できるようにです。借り入れをすれば、リスクもコストも高くなります。障害はと言えば、それほど多くはありませんでした。たぶん、このビジネスでもっともイライラさせられる点は、海外の業者との取り引きです。言葉の壁も大きいし、約束どおりに荷物が届かないこともしばしばです。
自作のものも含めて、かなりクールな道具を使っていますね。お気に入りのツールは?
Andy:私たちの自慢はEpilog Laser Cutterです。普段は工房の隅で眠っている巨獣ですが、ひとたびスイッチを入れるとブンブン言いながら切ったり彫ったりしてくれます。動いているときは、めちゃくちゃやかましいです。でも、SpikenzieLabsのいちばんすごいところは、Markの地下室にあります。完全な木工と金属加工の設備に、電子工作用作業台があります。さらに、分解したジャンクが信じられないぐらい山積みにされています。このジャンクが、プロトタイプを即興的に組み上げたり、市販品を探すのが難しいバネやスイッチなどを調達できて便利なんです。彼のジャンクの山は、「ゴミ屋敷」と「すっげー宝の山!」の間の微妙なバランスを保っています。
Makerビジネスは、将来どうなると考えますか?
Makerビジネスは急成長しています。Arduinoをはじめとするプラットフォームが「何かをする」ための間口を大きく広げる要因になっていますね。ほんの数年前まで、それをやろうと思ったら「天才」になるか、山ほどの情報や知識を必要としましたが、今は35ドルのArduinoで何でもアリです。
より多くの人がMakerになりますよ。電子キットの分野だけでなく、あらゆる分野でね。サンマテオのMaker Faireでは、この目で実際に見て感じてきました。そこには、あらゆる分野のMakerが集まっていました。ワンオフのものを作る人もあれば、我々のようにキットビジネスに繋げた人もいます。自分で物を作ることを大切に思ってきた人が、その報酬を得られる方向に確実に向かっています。SpikenzieLabsとしては、キットを応用してクールな電子プロジェクトを作りたいと考えている人たちの手助けなればと願っています。Drum Kit-KitやVoiceShieldなどのキットは、より大きなプロジェクトの素材として使えます。
我々は、問題の解決法やコンサルティングの相談を、しょっちゅう持ちかけられています。何週間もぶっ通しでカップの中にコンデンサーを分け入れるといった作業は、キットビジネスでもっとも退屈な部分です。一方、新しいキットの開発、新しいアイデアや発明の創造、みなさんのプロジェクトに関する相談に乗ることが、今は最高に楽しいですね。
Maker Shedより
- John Park
訳者から:AndyとMarkのどちらが話しているか、原文では最初の2段落にしか指定がなく、あとは訳者が推測して段落の頭に名前を付けていますが、どちらかわからないものには名前を付けていません。すいません。ところで、WRAP IT UP Boxは、アメリカのコメディアン、デイブ・シャペルのコント番組「Chapelle's Show」のウソコマーシャルに登場するウソ製品。話の長い人に「巻きでお願いします」と伝えるための道具なんだけど、それをホントに作っちゃったというわけ。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jul 7, 2010 02:00 AM
Kits, Maker Pro, Makers |
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June 14, 2010
Maker Business:Wayne and Layneの場合


Maker FaireでTactile Metronome kitを販売するWayne and LayneのMatthew BecklerとAdam Wolf。
Maker Businessは人を紹介する特集だけど、この2人はとくに面白い。Wayne and LayneのAdamとMattだ。彼らは、ものすごく頭が切れて楽しいエンジニアだ。もっと早く彼らの製品を手に入れていれば、1年中遊べたのに。
まずは自己紹介から。物作りを始めたのはいつから? 物作りに関連して、子供のときの思い出はある?
ボクたちは中学のときからの友人なんだ。そのころ、Basic Stamp 2をパーツで買って、Adamのお父さんにハンダ付けしてもらった。大したことはしなかったけど、リレーとLEDとボタンをブレッドボードに並べた。今みたいにインターネットで同好の仲間と話し合えたら、どれだけの物が作れていたか、想像もできないよ。
キミたちはAdamとMattなのに、どうして「Wayne and Layne」という社名なの? いっしょにやっていこうと思ったのはいつ?
ボクたちは学生時代からの友人で、大学ではルームメイトだった。ちょうどそのころに、ボクたちのミドルネームが韻を踏んでいることに気がついたんだ。しかも、たったの一文字違い。学生寮には「ガントレット」のアーケードマシンがあって、ボクたちはそれを徹底的に改造した。コントロールパネルを完全に作り変えて、カップホルダーを追加して、ボタンのたくさん増やした。Matthewが書いたオリジナルのゲームランチャーも追加したよ。これが大受けしたんだ。とくに研究助手たちにね。

キットビジネスはどんな感じ? ビジネスを始めたきっかけは?
Wayne and Layneの誕生には3段階あるんだ。
まずは、大学時代。ボクたちはマイクロコントローラー入門の授業が大好きだった。そこでボクたちはマイクロコントローラーのインターフェイスとプログラムを学んだんだ。Arduino前の時代だから、どうしてもレベルは低かったけど、それがボクたちの物作りの理論的な基礎になってる。
次は、2人が別れて、Wayne and Layneというリンクブログを立ち上げたことだ。ボクたちが互いに送り合った面白いリンクをまとめたサイトだよ。
3つめは、マイクロコントローラーを使った小さなプロジェクトで一緒に遊ぶ時間がすごく長いと気づいたときだ。ボクたちは、これをベンチャービジネスにしようと考えた。そして、コードや回路図を発表するための共用のサイトを立ち上げた。そのころだよ、圧電ブザーが衝撃センサーにもなることを知ったのは。そして、この効果を応用して、思いつくかぎりシンプルな回路を作り、洗練させた。そうしたら周囲の人たちが、面白いオモチャになると認めてくれた。それからちょっと調べてみると、大金をテーブルに積み上げなくてもキットビジネスを始められることがわかったので、基板と部品を注文して、メトロノーム兼ビートルーパー、Tactile Metronomeの説明書を書き始めたんだ。試験販売はいい勉強になったし、よく売れた。そこで、Wayne and Layne, LLCを立ち上げたんだ。

ほかのキット業者のやり方を勉強したり、彼らからアドバイスをもらったりした?
キットビジネスを始める人のための Adafruit presentationは勉強になったよ。ボクたちは「共同創設者」の存在を無視していた。正しい人物を共同創設者にすれば、恩恵が大きいことを教えられた。ウチに帰って、リポジトリーに新しいコミットが溜まってるとうれしくなるよ。今ボクたちは、Evil Mad Scientists Labモデルを作っているところなんだ。販売用のオープンソースキットだよ。でも、売り物にはならないようなプロジェクトでも、きちんと説明書をつけて公開していこうと思ってる。
2人ともほかの仕事があったり学生だったりするわけで、このビジネスに割く時間はどのくらい?
Adamはミネアポリスでフルタイムのエンジニアとして仕事があるし、Matthewは大学院生。だから、Wayne and Layneの仕事は夜と週末にやることになる。お互い違う州に住んでるけど、インターネットを使って効率的にやってるよ。電子メール、インスタントメッセンジャー、Wiki、それに、SubversionやGitといったソースコード管理システム、Google Docs、そして、プロジェクト管理と問題報告をしてくれるクールなウェブアプリケーションのRedmineなんかを使ってる。実際に「物」を作るわけだから、試作品などの現物はUSPSでやりとりしてるよ。
共同創設者がいて本当に助かるのは時間の管理だ。でもこれには二面性がある。もう1人いれば、自分が休みを取っても、その間も仕事が進むし、キットの発送もできるし、メールの応対もできて好都合だ。その反面、人に仕事を任せるのは、すごい罪悪感を伴う。すべての仕事を相手に押しつけることはできない。
時間で言えば、Wayne and Layneでボクたちは1週間に少なくとも10時間は費やしていると思う。そのほとんどは新製品の開発だけど。
このキットをクールにハックした人はいる?
まだボクたちのキットのハック例は、あまり見てないんだ。自分たちのサイトに、どうやるかを載せてるけどね。Maker Faireにも出展したけど、アクチュエーターを使って本物のドラムを鳴らす方法とか、振動モーターを使って体に感じるメトロノームの作り方とかね。
だけど、いろいろな人たちがボクたちのキットを買ってくれていることには驚くよ。スカンジナビアのリズムバンドや、フランスの電子音楽の作曲家や、学校のハンダ付けプロジェクトに使う、クリスマスツリー点滅キットに代わる新しいキットを探している子供たちからも注文が来た。数ヶ月前にネットでキットを注文してくれた家族がいたんだけど、Maker Faire でボクたちを見つけて会いに来てくれたんだよ。すごくうれしかった!
次はどんなものを作る?
Nerdleというオープンソースのワードゲームがもうすぐ出るよ。ナードじゃなくても、誰でも楽しめるパーティーゲームだ。言葉やカテゴリーを変更できるし。Arduinoのインターフェイスを使えばファームウェアの書き換えもできる。しかもケース付き!
Wayne and Layneが巨大多国籍企業になったとき、従業員にどんな制服を着せたい? 工場にはどんな音楽を流す?
「顔のない工員」になりたい人にはZentaiボディスーツを支給するよ。工場で流す公式音楽は、ジョナサン・カールトンとゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツとトム・ぺティとREMとニンテンドーの「ダックテール」のムーンのテーマ曲をエンドレスにまぜこぜにしたやつかな。
どうもありがとう。
こちらこそ!
Wayne and LayneはオープンソースのTactile Metronome kitを作っている。Maker Shedで売ってます。

- John Park
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jun 14, 2010 02:00 AM
DIY Projects, Electronics, Maker Faire, Maker Pro, Maker Shed Store, Makers, Open source hardware |
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March 26, 2010
Maker Business: Adafruit Industriesの場合 - ニューヨークのオープンソース会社の裏側 Part 2

上のビデオはRocketBoom提供
Part 1に引き続き、Part 2をどうぞ。

評価
気にしなければそれまでの話なんだけど、ボクたちは、すべての製品のページ、ブログ、サイトのセクション、チュートリアルの閲覧回数を記録している。使っているのは Google Analyticsだ。無料だし、今のところボクたちの知る限りではこれがいちばんましなツールだからだ。とにかくちゃんと動く。報告を見るのが楽しみだ。10パーセントの伸び、とか見るとうれしい。もっと行くときもあるし、下がることもある。上がれば気分がいい。

情報提供
ボクたちはInstructables、Wiki、Eye-Fiカード入りのカメラ、Flickrを使って、毎日休みなく、できるかぎりの情報を提供している。

Instructables(Adafruit) - 素晴らしいコミュニティーだ。協力してくれる人も多く、コンテストを開くにもいい。


Wiki
これは LadyadaのWikiだ。ネットでアクセスできるなかでも最高の電子工作情報が詰まっている。Wikiもたくさんあるけど、ボクたちが気に入っているのは dokuwikiだ。いろいろ見て、自分に合うところを選べばいい。ボクたちも、laser businessやpick and place machineで完璧な情報提供を行っている。

写真はFlickrの(Adafruitアカウント)に掲載している。ボクたちがやろうとしていることを写真で発表できるし、ボクたちのサイトに写真を載せるときもとっても楽だ。とくに、お客さんが作品を発表してくれるAdafruit Flickr photo poolは重要だ。また、Ladyadaとptにはエレクトロニクス関係以外の写真を載せている。

これはEye-Fiカメラカード。これを使って写真を撮れば、Flickrのアカウントに自動的にアップされる仕組みだ。そして、その写真は製品のページなどに追加される。こんなことができるのも、WordpressやZencartの便利なところだ。写真を撮って、カードを取り出して、アップロードして、という通常の作業にかかる時間と比べてみたら、1カ月に何時間も節約できていることがわかった。このカードはボクに時間を返してくれるのと同時に、使う楽しさも与えてくれた。

Flickrから製品ページに引っ張ってきた写真だ。このうち何枚かはカメラから直接送られたものだ。

ソーシャルネットワーク関連
ボクたちはTwitterフィードを使って写真やブログアイテムをボクたちのTwitterアカウントに送っている。興味を持ってフォローしてくれている人たちに、Twitterで貴重な情報を流すことも考えている。また、Twitterでは、「open source hardware」や「pick and place」といったリストもいくつか作ってる。このアカウントでいろいろやってるんだけど、ボク自身のアカウントptにもいろんなことを書いてるよ。

AdafruitのTwitter画面。open source hardwareとpick and place のリストもある。

それから、忘れちゃならないウチの製品、Tweet-a-wattもつぶやいてます。

Facebookのファンページとグループページもある。そんなに使ってないけど、こことか、こことか。

ビデオのアップロード
ボクたちは、すべての製品をきれいなビデオに撮影して公開しようとがんばっている。少なくとも、毎月、なんかしらクールなビデオを出している。ビデオにはいくつかのサービスを利用している。blip、vimeo、youtubeだ。すべてのビデオはTubemogulにまとめてアップロードして、そこから各サービスに自動的にアップロードするようにしている。とっても便利だ。

ライブビデオチャット
毎週、ボクたちは「Ask an Engineer」というライブのビデオショーをやっている。毎週土曜日の夜10時(米東部標準時)から1時間、Ladyadaが製品のデモを見せたり、質問に答えたりしている。毎回600人以上の人が見てくれているが、これにはUstreamを使っている。ユーザーサポートやコミュニティーとの対話には最高のツールだ。

カスタマーサービス - admin
ボクたちはGmailを使っている。複数の人間が同じ電子メールアカウントで作業できるのがいい。検索機能も優れている。フィルターも使っている。ビジネスを効率化してくれる。

Google voice
ここでは、電話はGoogle Voiceに繋がっている。留守番メッセージを聞くのも簡単だし、ボイスメールをテキストに変換することもできる。時間を節約してくれるツールであり、しかも無料だ(招待制)。

パッケージングと発送
ボクたちは郵便、とUPSを使っている。発送作業はEndiciaに依頼している。彼らのDazzleソフトウェアで送り状が作れるんだ。さらに、集荷は郵便サービスのサイトでスケジュールを決められる。毎日、UPSが午後5時ごろ集荷に来て、郵便局に届いた郵便物を置いていってくれる。

発送用コンピューター。すべては既製品だ。バーコードスキャナーやラベルプリンターはeBayで買った。ここにはShuttle PCを使ってる。平日休日を問わず1日100を超える注文の計量のために、ボクたちはこのシステムのクローンを作って、作業効率を2倍以上にしている。

出荷するキットを入れる箱
この作業の様子をビデオに撮影した。ほどんど1分以内のものだ。ひとつの注文を発送するまでには数秒しかかからないのだけど、そのすべてを今回ここに公開したというわけだ。なぜなら、Ladyadaはオープンソースハードウェアとソフトウェアのユーザーであり振興者であり、作り手でもあるので、ボクたちの作業をすべて公開することに関心を持ったからだ。「秘密兵器」をすべて見せてしまうのは賢明ではないと思う人もいるかもしれない。ボクたちは逆に、これが賢明なことだと考えている。ボクたちは、Makerビジネスがもっと増えて欲しいと思っているので、これが少しでも助けになればと願っている。キットのビジネスって、パーツやら何やらの数を合わせたよりもずっと大きいんだよ。:) :)
質問があったら、いつでもコメントに書いてくれ!
こちらもどうぞ:
- Maker Business: Adafruit Industriesの場合 - ニューヨークのオープンソース会社の裏側 Part 1
- Maker Business: Advice on Reaching Escape Velocity(英語)
- Maker Business: 小さな印刷屋 Zeichen Press の場合
- Maker Business: Magnolia Atomworksの場合 -- Part 4
- Maker Business: Magnolia Atomworksの場合 -- Part 3
- Maker Business: Magnolia Atomworksの場合 -- Part 2
- Maker Business: Magnolia Atomworksの場合
- モノ作りのビジネスを考える
- Maker Business: 冒険に出る前に......
- Phillip Torrone
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Mar 26, 2010 03:00 AM
Maker Pro, Makers |
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| Comments (0)
March 23, 2010
Maker Business: Adafruit Industriesの場合 - ニューヨークのオープンソース会社の裏側 Part 1

上のビデオはRocketBoom 提供
Maker Shedでもたくさんのキットを販売しているAdafruit Industriesのことは、聞いたことがあるという方も多いと思う。ボクはMakeのシニアエディターであるほかに、Limor(Ladyada)のオープンソースハードウェアキットのビジネスを手伝っている。ボクは、ボクたちがこの船をいかに浮かばせて、いかに新しい海域へ進めていくかという総合的な話を、何回かに分けて書いていこうと予定しているんだけど、今回はMaker Business特集ということで、ボクたちの仕事の概要と、どれだけたくさんのウェブツールやサービスを活用しているかを紹介したいと思います。Makerたちから受ける質問のなかで、いちばん多いもののひとつに、「どのショッピングカートを使っているのか」というものがある。一言で答えれば、 Zencartです、となる。ビジネスの立ち上げ当初は、どのカートを使うかなんて問題じゃないと思うんだけど、Adafruitではそれを使っている。ついこの前、ボクたちは5万件めの注文を発送するという記念すべき日を迎えた。ボクたちの製品のほとんどがオープンソースなので、ボクたちが使うツールも、ほとんどがオープンソース。ボクはこれまで、ひとつの企業がビジネスに使っているオンラインツールのすべてを紹介した記事を読んだことがないので、ここでそれをしたい。きっと楽しんでもらえると思うよ。では始めよう。
Adafruitを知らない方は、上のビデオか、Adafruitのaboutページを見てほしいい。オープンソースハードウェア、チュートリアル、エレクトロニクス、ハッキングなど、Maker たちの電子工作を学ぶ旅の手助けとして、ボクたちがやっていることの概要がわかるよ。
日本語版編集から:以下の情報はプロバイダ、決済システムなど、米国固有のサービスも含まれていますが、選択のポイントなどは日本の読者にも参考になる部分があるという判断から掲載しました。
これはプレゼンテーションのスライド(英語)。どうぞ見てください。前半は「オープンソースハードウェアとは何か」という話なので、必要のない人は飛ばしていただいて結構。この記事は、このプレゼンテーションの延長版といったところだ。

プロバイダー
ボクたちはservint.netを使っている。月89ドルのプランだ。servint.netにはまったく驚くばかりだ。最高のプロバイダーだ。失望させられたことは一度もない。とにかく、いろんなプロバイダーを調べてほしい。ボクたちもそうして決めたんだ。ボクたちはservint.netで十分に満足している。ボクたちのサイトは、Slashdot、Digg、Engadget、Hackaday、Gizmodoとも連携しているけど、ぜんぜんへっちゃらだ。

使っているソフトウェア
Adafruit.comは、LAMPサイトでいたいと思ってる。つまり、Linux、Apache、MySQL、PHPだ。これらはすべてライセンス料金がいらないから、商売上助かる。LAMPは商用利用が許されているから、ボクたちは、これらすべてを仕事に役立てている。商用利用不可のオープンソースハードウェアを売ろうと考えている人たちがいたら、考えてほしい。Linux、Apache、MySQL、PHPで作られたショッピングカートのソフトを使うのに、誰かにライセンス料を払わないといけないとしたら。オープンソースソフトウェアが成功したのはそこだ。だから、オープンソースハードウェアは商用利用を認めているんだ。ちょっと寄り道しちゃったけど、大切なことだよ。

ショッピングカート
ボクたちはZencartを使ってる。オープンソースのショッピングカートだ。コミュニティーも巨大だし、ハック情報や改良版も山ほどある。好みの形にするには、それなりの専門知識が必要だけど、生活を掛けようというのなら、そしてホスト型ソリューションに限界を感じているのなら、Zencartがお勧めだ。.:oomlout:.やSeeed StudioといったサイトもZencartだ。SparkFunはOSCommerceを使っているが、これはZencartから分岐したソフトだ。

管理者画面で注文の状況を見たところ。

これは伝票の画面。これを印刷してキットといっしょにパッケージする。バーコードをスキャンすると、発送ラベルを印刷できる。

オープンなツールを使っているから、独自の在庫システムを作るなんてことも、比較的簡単にできる(上の写真)。

クレジットカードの受け付け
クレジットカードの認証と支払いの処理にはauthorize.netを使っている。ボクたちが行っているのは、あくまでカードの「認証」。自分たちでカード情報は保管しないことにしている。保管するのは認証情報だけだ。商品が発送されたときにカードに請求が行く。こうすることで安全性も高まる。短所は、認証情報が30日間しか使えないため、注文予約を受け付けてから30日を超えると注文がキャンセルされてしまうという点だ。滅多にないことだけど、たまにある。Zencartとオープンなツールを使っているので、Authorize APIにヘビーな仕事をさせている。それほど強力じゃないけど、十分に多くの仕事をこなしてくれる。
ボクたちは今、SQUAREのiPhoneクレジットカードリーダーで遊んでいるところだ。次のイベントで製品を販売するときには使ってみたいと思ってる。authorize.net互換アプリケーションもあるが、まだドングルがない。両方を試してみて、どっちのほうが手数料が安いかを比べてみたい。

Paypal
ボクたちはPaypalも受け付けている。PaypalとZencartで利用できるリソースは山ほどある。最新バージョンではPaypal Expressも使えるので、お客さんはショッピングカートにアカウントを作らなくても買い物ができる。PayPalは、海外通貨の決済という面倒な処理もやってくれるから、とくに海外のお客さんに便利だ。ただし、PayPalのサイトはすごく遅い。作業を行うのにすごい時間がかかる。でも、ボクたちが知る限りではベストのサービスだ。ボクたちは PayPalドングルを使っている。特別な物理的なセキュリティーキーで、サーバーと同期してランダムな数字を作りだし、サーバーへのログインを許可するというものだ。だからさらに遅い。でもそれだけの価値はある。セキュリティー上の問題を起こしたくないからね。

ブログソフト
ボクたちのブログはとても活発だ。ショッピングカートに直接埋め込まれている。ボクたちが使っているのは、驚くほど柔軟で応用が利くWordpressだ。すごく気に入ってる。シームレスに統合するにはかなりの苦労があるけど、それだけの価値はある。RSSフィード、Podcastフィード、複数のエディター、コメントなどすべての機能が盛り込まれている。お客さんに常に情報やリソースを提供するには、最高の方法だ。ボクたちは、1カ月に100万ページビューを達成した! これまでボクは、あらゆるブログツールを使ってきた。カスタムメイドのものから、Engadgetや、このMake: OnlineのMoveable Typeまで。でも、Wordpressにかなうものはない。ただし、これを本当に思い通りに使いこなすには、かなりの勉強が必要だ。

ブログの書き込みを製品のページに表示させるための改良を行った。

フォーラム
ボクたちはphpBBを使っている。素晴らしいオープンソースの掲示板パッケージだ。
Part 2に続く。
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- Phillip Torrone
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Mar 23, 2010 02:00 AM
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