Archive: Workshop
April 12, 2012
ポピュラーメカニクスのライターが勧めるTinkercad

3Dプリント解放戦線の最前線からのニュース。「ポピュラーメカニクス」誌のライター、John Hermanは、3Dモデリングと3Dプリントの初心者に最適な方法を、自らが実験台となって探した。彼はこう書いている。「入口を探していたら、Tinkercadというアプリに出会った」
Tinkercadのどこが気に入ったのだろう? ウェブベースのソリッドモデラー(メッシュモデラーではない)で、初心者にもわかりやすいシンプルさで、すぐに3Dプリントできるモデルがたくさん用意されている。彼は、PopMechをかたどった文鎮をデザインし、STLファイルをShapewaysに送って石膏をベースにした「サンドストーン」でプリントさせた。
3Dモデリング用の他の入門向けツールの中では、Blenderがもっともパワフルで汎用性が高いとHermanは語っている。「しかし、いきなり難しくなる」という。Autodesk 123Dも 「中級3Dモデラーに最適なバランスのとれたツールキット」だと評価している。 123dapp.comでは、今週公開された新しいAutodesk 123D(Beta 9)が見られる。
How to Get Started 3D Modeling and Printing
- Keith Hammond
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Posted by Tetsuo Kanai |
Apr 12, 2012 12:00 AM
3D printings, Books and Magazines, Design, Toolbox, Workshop |
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January 12, 2012
図書館にハッカースペース

Maker Stationは、インディアナ州フォートウェインのアレンカウンティ公立図書館の駐車場に停めた50フィートトレーラーの中にある。ここはDIY愛好家たちが工具と知識を共有するためのハッカースペースだ。(写真クレジット:TekVenture)
この週末、Makeの特別筆者でもあるNPR(公共ラジオ)のJon Kalishは、図書館がハッカースペースやMakerスペースを作り始めているという番組を放送した。これは、Makeでもずっと話題にしてきたことであり、Phillip TorroneもSoapboxコラムで書いていた。この考えが、一般に根付いた感じで、すごくうれしい。我々にはごく自然なことなんだけどね。
「図書館の世界の人たちは、3Dプリンタは図書館にあってもおかしくないものと考えていた。また、図書館は3Dプリンタを置いて、その技術や、どのように開発されたかを知らしめるべきだとも考えていた。なぜなら、これは本当にすごいものだからだ」とBackusは語る。「20年後に、3Dプリンタを持っていない人がいたら、私はホントに驚くだろうね」3Dプリンタは、ニューヨーク州北部のフェーエットビル・フリー図書館にすでにある。地元のコンピュータショップから寄付されたものだ。それだけではない。この図書館は、ハッカースペースを設立のために10万ドルを獲得した。司書のLauren Smedley(29)はこの助成金を勝ち取った張本人だ。彼はさらに、IndieGoGoというウェブサイトにハッカースペースを作るという約束で35000ドルを上積みさせた。
Libraries Make Room For High-Tech "Hackerspaces"
- Gareth Branwyn
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jan 12, 2012 01:00 AM
Hackerspaces, Workshop |
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October 31, 2011
クラフター、ハッカー、そしてハッカースペース
Emily Smithは、カナダはバンクーバー出身のブロガーでMakerでコミュニティ管理者。彼女は素晴らしいDIYサイト Blue Mollusc を運営していて、今年開かれたVancouver Mini Maker Faireを先導してくれた。その彼女が、うれしいことに、ハッカースペース系ライター集団の一員としてMakeに参加してくれることになった。彼女はCraftにも原稿を書いてくれることになっている。- Gareth
クラフトと聞くと、グルーガンや木の棒や布や機織りを連想するのと同じように、ハッキングと聞くと、ハンダごてやマイクロプロセッサやソフトウェアを思い浮かべる。実際、ハッキングとクラフトとの間には共通点が多い。この2つのMakerグループが会話をすれば、もっと多くの共通点がみつかる。どちらも、物を作るために必要だと思っているものは同じだ。いつでも使える道具、作業スペース、それに、プロジェクトやアイデアを話し合って育て合うことができる同好の仲間だ。
熱烈なクラフターである私は、初めてハッカースペースを訪ねたとき、とっさに、そこに自分のプロジェクトを持ち込みたいと感じた。足を踏み入れた瞬間、私はそこにいくつものクラフトのヒントを発見したのだが、その場所を占有していたのは、ほとんどがハッキング用のハードやソフトだった。まったくの異世界に感じる人もいるがろうが、私は、これまで試したことがなかった新しい媒体を学ぶ絶好のチャンスだと思った。そして、ハッキングに柔らかい側面を持ち込めるとも感じた。冷たいものに毛糸をまとわせるのだ!
2回目に訪れたときは、ハンダ付けと電子回路の基礎を習い、レーザーを使ってスピログラフを描いた。そして、ELワイヤの素晴らしい世界を教えられた。私のハッカースペースでは、ほとんどがクラフトを基本としたプロジェクトを行っているが、ハッカーたちが築いてくれた基礎の上にハッカースペースを作ることができて、それをクラフトのコミュニティに広めることができたのは、本当にラッキーだったと思っている。ハッカースペースは、クラフトナイトを開くのにもって来いの場所だ。共有スペースだから掃除をする必要もないし、メーリングリストやWikiやウェブサイトで参加者を集める手間もない。物作りが大好きで楽しくて優秀な人たちが簡単に集まる。もうひとつ気づいたことは、たとえば、ニットナイトや縫い物ナイトというように、活動を限定すると、ユニークな経歴や技能を持つ人たちが集まってきて、いろいろ教え合ってくれる。そして、夢中になっているうちに、気がつけば多くのことを学んでいる。これは、どのハッカースペースでも目標としていることだろう。
ひとつだけ、まだよくわからないことがある。それは、どうしてもっと多くのクラフターたちがこうした機会に飛びつかないのだろう? という点だ。どのハッカースペースでも、クラフトナイトを開催している。しかし私の経験からすると、それに喜んで参加するクラフターはとても少ない。ハッカースペースは世界中のたくさんの街にあって(hackerspaces.orgで近くのハッカースペースを調べられる)、幅広く奥深く物作りを楽しむコミュニティを作っている。
これを読まれているクラフターのみなさん、お近くのハッカースペースやクラフタースペースをぜひ訪ねてみてください。友達を誘ってね。いろいろな人と話をして、新しいことを教えたり教わったり、周囲の人にプロジェクトを持ち込むよう促してください。
ハッカーのみなさんへ:あなたのハッカースペースにクラフターがやって来たら、温かく迎えて、そこが素晴らしい場所であることを教えてあげてください。あなたたちには、たくさんの共通点があるのです。
- emilysmith
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Oct 31, 2011 02:00 AM
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September 4, 2011
デザイナーとパーソナルファブリケーションツールを結びつける実験的ワークショップ
ロフトワークとFabLab Japanが共同して企画し、8/27(土)、28(日)の二日間に渡って行われたワークショップを窪木 淳子さん、赤嶋 映子さんのお二人にレポートしていただきました。
「ほしいものを自分で作る」のは素敵だ。3次元プリンターやレーザーカッターのようなハイテク工作機器は、その手助けをしてくれる。では、プロのデザイナーが3次元プリンターやレーザーカッターに出会ったらどうなるか? そんな実験的なワークショップが、夏休みもおしまいに近づいた週末に催された。企画したのは、クリエイターコミュニティとのかかわりが深い制作代理店のロフトワークと、このblogでも登場したFabLab Japan。
会場となったloftwork Groundには、FabLab Kamakuraから3次元プリンターやレーザーカッターなどの工作機器や電動ミシンなどが運びこまれた。


集まったのは、デザイナー、建築士、大学の職員や大学院生、製品プランナー、アーティスト、編集者など十数名。多くの参加者は、用意された工作機器を使ったことがない。
冒頭、FabLab Kamakura主宰の田中浩也さんが、作品をオランダのFabLabが開催している「(UN)LIMITED Design Contest 2011」にエントリーすると爆弾宣言し、タイムリミットが翌日の正午に設定された。
1日目
くじ引きで分かれたチームごとに、制作物のブレスト、材料集めの買い出し、試行錯誤の制作が続く。出されたアイデアに、「それ、どうやって売るの?」というスルドイ突っ込みがはいるのはこの顔ぶれならでは。

しかし工作機器には、好奇心あふれる集団を相手に受難の24時間となった。3次元プリンターには、現実にはついに完成することのなかったというロシアの「第三インターナショナル記念塔」という難題が与えられた。けなげに耐える3次元プリンター。

レーザーカッターには、グラニュー糖やマーブルチョコレートまで投入されることとなった。しかし制作もたけな わになった夜遅く、レーザーカッターはまさかの故障......。

2日目
駆けつけたメーカーの手でレーザーカッターの修理が完了すると、停滞していた作品の制作がみるみる進みだす。

ちなみに故障の原因は、レーザー光を当てた砂糖がレーザーヘッドに飛んで付着したためだった。
では、作品をどうぞ!
ふみふみスリッパ
「最少の裁断で履き物を作る」に挑戦。試行錯誤の素材探しのあと、クッション性のいい白いウレタンからレーザーカッターでスリッパ底を切り出した。定形封筒大で郵送可能。鼻緒用のスリットに赤いファスナーを付ければ足の甲厚にアジャストできる。金銀水引の鼻緒を付けた様子も何やら目出度く、アート性の高いスリッパに仕上がった。(FabLab Tsukuba+山本 詠美さん+渡辺 ゆうかさん)

布バッグ
「簡素で拡張性のあるウェラブルなもの」をテーマに、1人でも、2人でも持ち歩ける布バックを制作した4人。木製フレーム、フェルトフレームをレーザーカッターで切り出し、風呂敷のような四角い布をバッグに変形させる。フレームの形、幅、持ちやすさや切り出しに工夫あり。ジッパーを縫い合わせた布のバッグは、同じ布をつなぎ合わせて変形させられる。(岩岡 孝太郎さん+尾田 和実さん+成瀬 友梨さん+林 千晶さん)

FabLab Lunch Box
「包む」をコンセプトにした、厚さ13mmのうすーいフードアート。白いアクリル板の蓋には、FabLabのロゴが彫刻されている。中味の1段目には、折りたたみ紙コップと箸、料理にのせる海苔をセット。2段目には、ライスペーパーをまとった赤・緑・黄の料理が9コマ分美しく並ぶ。海苔とライスペーパーにはナンバーが切り抜かれ、なんと食べる順番が指定される。(土谷 貞雄さん+野口 尚子さん+平本 知樹さん、写真は野口尚子さん[印刷の 余白Lab.]提供)


アクリル文字彫刻
アクリル板から切り抜いた「Love」の文字組みピース。これをもう1つのピースと組み合わせると、新たな文字が浮かびあがる。見えるかな? これはまだ試作品(部分)で、作品は目下成長中。(大日本タイポ組合さん)

カラメル絵
砂糖という名の砂原に、レーザーカッターで絵を描いたらどうなるか? そう、砂糖は融解して、カラメルの地上 絵ができる。というわけで、FabLabのロゴマーク。でも、そのあとがたいへんでした。(井上 健さん+田中浩也さん)

----レポート:窪木 淳子、赤嶋 映子
Posted by Hideo Tamura |
Sep 4, 2011 12:00 AM
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September 2, 2011
料理とプログラミング、テクノロジーの関係を考える「Cooking for Geeks!」開催

新刊『Cooking for Geeks』の出版を記念し、クックパッドと共同イベントを開催します。
オライリー・ジャパン/Make: Japan Booksの9月の新刊『Cooking for Geeks』は、その書名が表すように、ギーク、エンジニア、プログラマのために書かれた料理の本です。
料理の基本と、さまざまなレシピの背後に隠れたアルゴリズム(化学反応)を詳しく解説し、料理を作ること、そして食べることをもっと楽しい体験にするための(本物の)「クックブック」となっています。
本書の発売を記念して、さまざまなアイデアを持つエンジニアのみなさんと一緒に、料理とプログラミング、テクノロジーとの関係を考えてみようというイベントが今回の「Cooking for Geeks!」です。当日は、スピーカーのみなさんの料理に関する発表と『Cooking for Geeks』に掲載されている料理を楽しむことができます。また、9月22日(木)発売予定の本書の販売も行う予定です(プレゼント付き)。
●概要
会場:クックパッド株式会社(地図)
日時:2011年9月22日(木):19:30~20:30(開場19:00、閉会後懇親会)
参加費:無料
定員:40名 ※応募が予定数を上回った場合は抽選とさせていただきます。
主催:クックパッド株式会社、株式会社オライリー・ジャパン
●内容
・発表
・「食品の効果的な加熱方法」水原 文(『Cooking for Geeks』翻訳者) - @bmizuhara
・「情報科学からの食文化への挑戦」福地 健太郎(明治大学 特任准教授) - http://fukuchi.org/, @kentarofukuchi
・ライトニングトーク
奥 一穂(株式会社ディー・エヌ・エー) - @kazuho
佐々木 達也(クックパッド株式会社) - @sasata299
佐々木 抄子(株式会社ドワンゴ) - @shokos
塩谷 啓(株式会社ドワンゴ) - @kwappa
高木 誠(フリーランスプログラマ) - @2celeb
舘野 祐一(クックパッド株式会社) - @hotchpotch
中村 裕美(明治大学) - YouTaste | 電気で食事をもっと楽しく.
松野 徳大 - tokuhirom's Profile - GitHub
●参加申し込み方法
応募フォームはこちらです。お申し込みは締切となりました。ありがとうございました。
応募締切:9月12日(月)13時
当落選連絡:9月16日中にメールにてご連絡いたします。
●備考
・当日はustream配信を行います。こちらをご覧ください。
・twitterハッシュタグは、 #cook4geekです。
Posted by Hideo Tamura |
Sep 2, 2011 10:00 AM
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January 28, 2011
ブルックリンのレンタル工房3rd Wardについて

Making things moveというメカ工作の入門書を読んでいたら、米国内のオススメのレンタル工房のひとつとして、ブルックリンの3rd Wardについて触れられていました。気になったのでその名をつぶやいてみたら、早速反応があって、なんとヘビーユーザーのひとりから、東京で話が聞けることになりました。Luke Schantzさんです。
結論からいうと、しっかりしたビジネスモデルで運用されている、楽しそうな施設です。その機能を大きく分けると、レンタルオフィス、レンタル工房、教室の3要素。月に350ドルを支払うと、独立した一室を借りることができます。さらに300ドルを払うことで、3rd Wardの全設備を使い放題(部屋は借りず300ドルの設備レンタルだけ使うことも可能)。どのような設備があるかというと、木工、金属加工、撮影スタジオ、デジタルメディアラボ、ジュエリー工房など。そして、それらの設備を駆使した教室が常に開催されています。人気があるのは、宝石加工や木工などのクラフト寄りのクラスみたい。ちょっとかわったところでは、ナイフ研ぎや自転車修理の教室もあるとのこと。
もともとは都心に近いこじんまりした施設だったようですが、拡張性を重視して、ブルックリンの広いビルに移設し、現在も拡大中だそうです。話を聞くほどに、東京にも欲しい!と思ったのでした。
Posted by Takumi Funada |
Jan 28, 2011 03:00 AM
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October 21, 2010
クリエイティブな人たちの机をテーマにしたミニドキュメンタリー

第一回目のエピソード "The Desk" では、Alice Twemlow、Eric Abrahamson、Massimo Vignelli、David Miller、Kurt Andersen、Soren Kjar、Alfred Stadler、Jennifer Lai、Ben Bajorekといったエキスパートに話を聞き、働く人と机との関係、そして、それが当人の人となりや習慣をどう映しているかを題材にした史実に基づく意味深い短編映画を製作した。
[Kottkeより]
- John Baichtal
訳者から:リンク元でこのムービーを見ることができます。この L Studio:Lines シリーズは、ほかにも7本あります。どれもひじょーに美しい。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Oct 21, 2010 12:00 AM
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October 4, 2010
バインダー式パーツ整理術


私は現在、ガレージのジャンクパーツの整理をしているので、こうしたDIYなパーツ整理術にレーダーが敏感に反応する。これは2007年にInstructablesのユーザー、 tomwardが発表したものだ。リング式バインダーにバインダーポーチにジップロックを入れるという三段構えのアイデア。空間を有効に使える術だけど、これではパーツ整理問題の半分しか解決できない。プロジェクトが終わったあとに、作業台に残ったパーツをざばっとかき集めて(あなたが私と同類なら、何カ月にも及んだプロジェクトの余り部品がバケツ一杯あるはず)、それを分類する方法が知りたいのだ。やっぱり捨てるしかないのかなぁ、と考えたりしている。
- Sean Michael Ragan
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Oct 4, 2010 03:00 AM
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June 25, 2010
モバイルラボ・プロジェクト Part.3 - 什器固定編


どこでもモバイル工房シリーズの3回目だ(ことの始まりは Part.1 を見てください)。前回の車両編でトレーラーの断熱処理を済ませて、作業台や部品棚などの設備を、最初の旅でめちゃくちゃにならないようしっかりと固定する準備が整った。
空間的な条件は厳しいが、使ってみると、船の居住空間(どうしても水や塩水で腐食する)よりは快適であることがわかった。ここでの問題は横加速度、高周波数の振動、長時間の繰り返し加重、衝撃などといった、移動に関連するものだ。安物のオフィス家具では粉々になってしまう。部品用の引き出しは飛び出さないようにして、張り出した棚に重量物を載せないようにしなければならない。
モバイルラボは、オーナーの目的によって形が異なる。そこで、ここでは特定のレシピではなく、私にとって有用であったテクニックをバイキング形式で披露しようと思う。
最初の難関は、適切な什器を見つけることだった。ホームセンターなどで売られている化粧板の組み立て家具などはダメだ。最初から完成品として売られていた時代の堅牢なものを選ぼう。前世紀の一流ブランド(Steelcase、Steelmaster、Cole Steelなど)は中古オフィス家具屋やオークションに出回っている。運が良ければ知り合いのオフィスの改装などで不要になった什器をゲットできるかも。私のモバイルラボ、Polarisの什器はすべて、軽快に使えるスチール製だ。2.4メートルの作業テーブルと、1.5メートルの立って使う作業台、ファイルキャビネット、引き出し、そしてゴージャスな古いデスクという構成になっている。ひとつだけ仲間外れなのが、3メートルの巨大な木製多段式テーブルだ。20年ほど前に、動かすのが大変なのでほとんど廃棄状態だったものを、タダで手に入れた。

什器の配置は、Google SketchUpでモデルを並べるというのが最新流行のやり方だが、私はポストイットを切り抜き、方眼紙の上に並べて納得のいくまで配置を考えるという方法をとった。それですべてが美しく収まったが、本当のお楽しみは、実際に最初の什器をトレーラーに引きずり込んだときから始まった。これをどうやって固定するかだ。
私のWells Cargo EW2024トレーラーでは、合板の床を裏側で鉄製のジョイントで留めている。そこまでボルトを通して固定するのは、ソケットレンチを使えば簡単だ。古い作業台のように、ほとんどのものは、足か平らな面があれば、床に直接、またはブラケットを使って固定できる。

同じように、エアーコンプレッサー(車輪と取っ手を取り外して、水平になるようにブロックを追加した)、床に固定するタイプのドリルプレス機(3/8インチのステンレスボルトと英コーンナット付き)、大部分のスチール製什器、大きな木製テーブル、そのほかもろもろを床にボルトで固定した。
壁への固定は、ちょっと厄介だ。薄い合板の内張と鉄の支持材にタップビスで留めるしかない。これでは重いものは無理だ。下手をすれば大きく揺れたときに骨組みが曲がる恐れもある。
トレーラーを購入するときにE-Trackのオプションがあれば、ぜひ取り付けておくことをお勧めする。トラックの荷物を固定する金具として、広く使われているものだ。業務用の大型トラックやコンテナの場合は、ボディに什器などを、直接、溶接できるのだが、私のトレーラーのようなライトウエイトの車両ではそうはいかないので、固定用金具を取り付けておくと便利だ。実例を下に示そう。

写真では、E-Trackを使った例を4つ紹介している。写真左側に見える小さなリングは、移動中に短い固定ベルトを引っ掛けるところだ。ここから低位置の引き出し戸棚の前面に斜めにベルトを渡して床のアイボルトに反対側の端を固定する。ホンダの発電機(使うときは外の連結器の上に載せる)は、発泡スチロールのクッションを挟んで壁に押しつけ、ベルトを本体に巻き付け、ハンドルに通してしっかり固定する。背の高いツールキャビネットも、ラチエット付きのベルトを使って同じように固定する。さらに念のため、写真の右側にわずかに写っている、床にボルト留めした2.4メートルの作業台にもベルトを巻き付けて、床のアイボルトに固定している。簡単な方法がいちばんだ。それを何重にも使うことが、安い保険となる。
ボッシュのテーブルソーも、ベルトで固定して、ふらふら動かないようにしている。

この塊には、テーブルソーのほかに、小さな脚立とショックコードで束ねた車輪付きスタンドも入っている。タオルがだらしなく掛けられているが、あれは壁のボルトヘッドでテーブルソーの作業面に傷がつかないようにするためのものだ(これは苦い体験から学んだこと)。
ところで、テーブルソーの上には、隣のドリルプレスを使うときに便利なように、折りたたみ式の台を備え付けてある。テーブルソーを外に持ち出したときでも台として使えるように、スチールのワイヤーが付いている。
そこかしこに細かい工夫は必要なものの、什器や大きな工具などの固定は、比較的単純な思考で対応できる。だが、引き出しや容器や扉となると、ちょっと複雑だ。
当然のことながら、すでにある固定された什器(スチールデスク、ファイルキャビネット、背の高いツールボックス)はできるかぎり利用する。木製の机の引き出しは、2本のネジ付きフックとピン1本で簡単に固定できる。しかし、部品を管理する3つの「大物」には、特別なアイデアが必要になる。
大きな部品や工具などは、32個のプラスティックケースに分けて収めてある。それを、2.4メートルの鉄製作業台の上に自作した木の棚に並べている。こいつらが急な面舵でも飛び出さないようにするために、底面にネジを突き出させた8本の角材を、棚の下部に開けた穴に通して、上はネジ付きフックを使った留め金で固定するようにした。シンプルだが頑丈だ。

デスクの上には、小さいが嵩張る部品を入れるためのスチール製キャビネットが2つあり、合計で63個の引き出しがある(下部はE-Trackのストラップで、上部は棚用のL字金具で固定している)。これが厄介だ。ヒモと滑車とカムクリートを使う方法を考えたが、材料を集めて穴を開けて、とやっていくうちに、デスクを改造しなければならないことに気づいた。基本的に面倒臭いことが嫌いな私は、見栄えは悪いが、もっと簡単にできる方法に切り替えた。

引き出しを抑えている板材はベルトで締め付けているが、持ち場からずれて役立たずにならないように、上部をスプリングクランプできつく固定している。写真には本棚も写っているが、この本棚は、左のほうにブラケットの位置まで、あと数十センチほど続いている。本棚を支える頑丈な2つのブラケットは壁板に固定されていて、ベニアの化粧板を貼り付けたフォームコアで挟んで、ブックエンドとしても使えるようにしてある。急な取り舵でも落ちないように、本はすべてショックコードで固定されている。
だが、もっとも困難を極めたのは、細かい部品を収めた755個の小引き出しだ。引き出しのキャビネット事態は壁にネジ留めされ、上下はきっちりとはめ込まれている。こいつらが飛び出したら、数千数万の細かいパーツが散乱して悪夢になるだろう。

これを解決するために(そしてアイデア出しにも便利なように)、私は236×81センチの枠付きホワイトボードを作った。これに23センチの張り出しを追加すれば、スピーカーの上の小引き出しを含めた全体をカバーできる。これは、船舶品質のスライドボルトでロックされる仕組みになっている(閉じるとキャビネットの台に掛け金が当たり、心地よい音をたててロックする)。部品を取り出したいときは、ホワイトボードを上に開いて天井の金具に引っ掛ける。これによってできた隙間は、Metcalハンダステーションにぴったりの場所となった。下の写真は閉じたところと開いたところだ。

(ホワイトボードを開けていると、訪れた人はみな「おお」と感嘆の声をあげる)
ホワイトボードは、メラニン加工の「タイルボード」とか「シャワーボード」と呼ばれるもので、ホームセンターで120×240センチのものが10ドル程度で売られている。厚さは3ミリなので簡単に切断できる。だが、切断面は弱いので、縁枠を付けたほうがいい。普通のホワイトボード用のマーカーが使えるが、書いたまま消さずに長く放置してくと色が定着してしまうことがあるの注意が必要だ。セラミックスチール社製の本物のホワイトボードは、磁石もくっつくし耐久性も高く魅力的だが、重量と価格が問題だ。
ホワイトボードの蝶番を取り付ける面は、しっかりと安定していなければならない。私は、キャビネットの上に壁から取り付け用板を張り出させ、そこに固定した。こうすることで、4つの蝶番のピンをすべて一直線上に揃えることができ、ホワイトボードの静的加重と、移動時の動的加重に耐えられるようになる。また、こうすることでキャビネットをよりしっかりと固定できる。もうどこへも動けないぞ!

まだ衝撃吸収について話していなかったが、移動システムではとても重要な問題だ。とくに、長いモーメントアームの上の物には気をつけなければいけない。私の場合、デコボコ道でもっともダメージを食らいやすいのはドリルプレスだ。L字型の2本の支柱を壁に取り付け、位置を簡単に微調整できるようにマシンの裏側にスロットを入れた。その窪み部分を使って、ぶらぶらする部分(ケーブル、コンデンサ-、トランス)をホットグルーやシリコンで固めてやった。
さらに私は調子に乗ってIcom 706mkIIg無線機のベースユニットにも緩衝対策を施した。もともとこれはモバイル用の機器なので、その必要はないのだ。しかし、すでに衝撃吸収対策を施したピッタリサイズの台を作ってしまった。これは、初期バージョンのBEHEMOTH自転車で、デリケートなcirca-1990ハードディスクを持ち運ぶために作ったものだ。無線機は現在、アンテナと電源の近くの、豪華なLord社製の積層ゴムマウントを装備した棚の上に鎮座している(制御パネルは作業台にある)。

以上が、これからモバイルラボを作ろうという方のための固定テクニックのあれこれだ。これで完璧というわけではない。私自身も、まだ完全ではない。椅子やボルト留めできない工具など、何かしらの保護が必要なものは、今でもヒモで縛ったりしている。その作業工程は、ドアの脇の掲示板にピン留めしてある飛行前チェックリストにまとめて書いてある。
大工仕事はこれくらいでいいだろう。次は電源システムに取りかかる。これも、トレーラー本体の作業と同じぐらい重要なものだ。
これまでの記事:
- Steven Roberts
訳者から:E-Truck は、パネルトラックの荷室に付いてる「ラッシングレール」のこと。
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jun 25, 2010 12:00 AM
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June 9, 2010
モバイルラボ・プロジェクト Part. 2 - ベース車両

前回の記事では、10年以上も使ってきた大きくて効率の悪い工房を「蒸留」して作った私のモバイル工房、Polaris を紹介した。この新システムによって、私は完全な機能を備えた工房をマリーナへ引っ張っていき、そこで、高度な加工や組み立て作業が必要なギーク・セイルボートのプロジェクトに専念できるようになった。また、アマチュア無線のField Dayを追いかけることができるし、うまくすれば来年のMaker Faire Bay Areaに参加もできる。
移動可能な工房には非常に多くの利用法がある。このことについて私は今、本を執筆中だ。このMakeでもゲスト著者として連載記事を書かせてもらっている。
では、モバイル工房の作り方を解説しよう。路上の放浪生活において、通常の建物では地震の一瞬だけ気をつけておけばよい振動や横加速度が重大な問題になる。安物の家具は壊れてしまうし、部品は床に散らばる。
最初の決断は、バン、RV、トレーラー、コンテナ、バス、トラックなど、ベースとなる車両の選択だ。ここは、頑丈さ、改造のしやすさ、価格の駆け引きとなる。たとえば私の場合、ほとんどのRVは作りに不満を覚えたが、多く流通しているのでコストパフォーマンスはよい。このところの不景気のお陰で、手頃な価格で入手できるようにもなっている。問題は、内部の構造が乗り心地重視になっている点だ。そのため、小さな荷物スペースに工房を押し込むか、内装を大幅に改造して設備を詰め込むことになるが、いずれにせよピンと来ない。
対称的なのが輸送用コンテナだ。非常に頑丈で、防犯性も機密性も高い。アメリカの港街に行けば、不均衡貿易の調整のために積み上げられている。探し回れば40フィートのものが1000から2000ドル程度で買える。ただし機動性は低い。大型トラックを持っていればすぐにでも運べるようになっているが、簡単じゃない。利点は、世界中どこへでも、そのままの形で輸送できることだ。コンテナのサイズは標準化されているので、これを組み合わせれば、通常の建設費用の数分の一で工房を建てることも可能だ。移動はあまり考えず、安い工房を持ちたいというのなら、コンテナは賢い選択だろう。
しかし、私はもっと身軽でいたい(でもRVより広いほうがいい)。そこで私は多用途トレーラーを選択した。いろいろなメーカーが、さまざまな価格帯のさまざまな種類のトレーラーを作っている。私のトレーラーはWells-Cargoの全長7.2メートルのタイプだ。このメーカーのものを買うのは3台目だが、これしか手に入らないわけじゃない。

このクラスのトレーラーは基本的に大きな動く箱といった感じで、合板の床と板張りの壁という構造になっている。骨組みは軽量金属で、屋根も軽くできている。サイズは、長さが2.4 ~ 14.4メートル、幅が1.8~2.4メートルといろいろだ。改造も簡単で、便利なオプションもたくさん揃っている。断熱材、窓、E-Truck、ロープ用金具、電源、照明、折りたたみ式階段、ランプドア、屋根用通気装置、エアコンなどなど。私のトレーラーは普通の市販品でごく基本的な内容だ。だから、最初に内張を剥がして、壁と天井に断熱材を入れた。これは楽しい作業ではなかった。
構造は単純だ。外壁は鉄板で、ハット型ジョイナーが外壁と内張用合板の支柱になっている。隙間はとても狭いので、R-13(10センチ厚)の断熱材を剥がして、この厚さにしなければならなかった。断熱材がない場合に比べればずっといいが、快適とは言い難い。

屋根はまた違った構造になっている。固いR-Techのフォームを張り、天井の内張をして、木の梁でそれらを固定した。こうしたトレーラーの構造によって、燃費も大きく違ってくる。もし、特注できるのであれば、以上の作業は業者に依頼すべきだ。私はこの断熱材処理だけで数週間かかってしまった。
天井と壁の境目は、面白い作りになった。屋根が丸く、アルミの支持材もカーブしていて、これに私のいい加減さが加わって出来上がったのが、10枚ほどの扉だ。蝶番で開閉するようになっていて、中に断熱材を入れた。1.2メートルおきに隙間があるので、ここにケーブルを通すこともできる。

トレーラーの壁に断熱材を入れて内張を終えたが、家具を固定する前に、まだ大きな仕事が残っている。電源管理やセキュリティーや無線通信やネットワーク用ツールなどの「システム」をまとめて置く場所が必要だ。それに最適な場所が船首にある。Wells-Cargoが「ノーズコーン」と呼んでいる出っ張りの中だ。いちばん上の写真でわかるだろう。
なぜか、これは四角い基本形のトレーラーに後付けされている。無数のネジは抜かれているが、ノーズコーンの裏側の鉄板はそのままだ(ブンブンガタガタする不快なノイズはそのせいだった)。金属ハサミなどの破壊用具を駆使した難工事の末、ようやく合板の内張の向う側に理想的な空間を得ることができ、絶好の位置に扉を付けて、配電盤などの制御装置を取り付けることができた。

ラッチはSouthco製のマルチポイントユニットだ。上下に受け金具があり、ツマミをちょっと捻るだけで開閉ができる。グラスファイバー製のノーズコーンの内側に断熱材を張り、底の近くに30アンペアの船舶用電源の外部配線コネクターを配置した(発電機を置くトレーラーの連結器のすぐ上)。この4回の連載のいずれかで、ここに制御盤や配線をどうやって詰め込んだかを解説しよう。
本体工事の最後に残った問題は厄介だった。横と後部のドアを閉めると、内部が真っ暗になってしまうのだ。私はオプションの窓は付けなかった(すべての壁面が棚で埋まる予定だったからだ)。唯一の通気口は、2つの小さなカビ防止用ベンチレーターのみ。しかし、ときどき外を見たくなるだろうし、ドアを叩く人がいれば、それが誰なのかを確かめてから錠を開けたい。
私は船乗り精神に従い、eBayで生産終了になったBecksonの開閉式舷窓(排水性と防水性に優れたヨット用の小さな窓)を購入した。私は身長が190センチあるので、目の高さに取り付けたいと思った。そのため、ドアの内部で、上の蝶番を支えるフレームに繋がる梁を切らなければならなかった。
ドアの強度を保つちつつ、潮風を室内に入れなければならない。そこで、船舶用合板を使って窓の周囲に補強板を当てることにした。

窓の周囲をシリコンの充填剤で防水し、面を揃えた。きれいにできた。あとは小さなカーテンを付ければ、外から覗かれることもないだろう。窓は魅力的で便利なものだ。とは言え、中から、またはインターネットで全周囲を見渡せるビデオカメラの代わりにはならない。まあ、ぼちぼちやっていこう。
次回は、家具の選択と、固定方法、そして、デコボコ道を走っても900個近い引き出しが飛び出して中身が散乱しないためのコツをお教えしよう。
こちらもどうぞ:
モバイルラボ・プロジェクト Part. 1
- Steven Roberts
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jun 9, 2010 01:00 AM
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June 4, 2010
モバイルラボ・プロジェクト Part. 1

Whole Earth Catalog、Mondo 2000、Wired、そしてこのMakeでの私の著述を読んでくれている皆さんなら、次のゲストはSteven K. Robertsだと察せられていたことだろう。1980年代、私にハードウェアハッキングの楽しさを教えてくれたのは、まさにこの人だ。技術よりもアートに寄った彼は(とは言え科学や技術からの影響も愛着も大きい)、アートと技術の境目をなくす術を教えてくれた。21世紀のMaker諸君なら難なく理解できるであろう方法でだ。昔から隔たてられてきた、まったく別の感性とされてきたふたつのものの境目を、Steveはよくこんな言葉を使って見事に言い表している。「エンジニアリングのないアートは夢だ。アートのないエンジニアリングは計算だ」
1980年代に彼が行ってきたハイテク自転車のプロジェクト、WinnebikoとBEHEMOTH、そして、最近取りかかっている水陸両用や水上のハイテクな乗り物は、まったく新しい輸送手段というテーマをじつによくわからせてくれる。Nomadic Research Labsで30年間研究してきた彼は、個人向けの新しい乗り物に関する著書を何冊も出している。Computing Across America や、新刊のReaching Escape Velocity などがそうだ。
Steveはゲスト著者として、自身の素晴らしい業績について書いてくれることになった。まずは、Polaris Projectと呼ばれる彼の新しいモバイルラボの話だ。それでは Make: Onlineをお読みのみなさん、Steve Robertsのご登場です! -- Gareth
完全にポータブルなラボ(研究室)は、いろいろな意味で一考に値する。自宅に十分なスペースがない、移動中も仕事を中断したくない、クライアントの近くに道具を持っていきたい、遊牧ハッカースペース・コミュニティーを作ってを作ってプロジェクトを連合させたい、いつでもすぐに退散したい、建築許可などを面倒なこと抜きで自分だけの工房が欲しい......などなど。また、単に効率的でクールで集中できるという理由もある。

私の場合は、ちょっと馬鹿げていて複雑な事情がある。私は、非常にギークな帆船プロジェクト(Nomadness)を完成させたいと思っている。しかし、私の家にも工房にも係留設備がない。家から4時間もかけて回り道をしなければボートにたどり着けないという、なんともしがたい地理的環境だ。マリーナに行くときは、数日間かけて予定表どおりに準備をしておく。しかし、作業に入るとすぐに足りない部品や工具があることに気づく。それらは家にある。しかたなく、その作業は後回しにして、次の工程にかかろうとすると、同じような問題がまたしても起きる。その繰り返しでイヤになり、他のボート仲間のところへ遊びにいって1日を過ごし、家に帰る。そのとき、予定表は前より長くなっており、フラストレーションも溜まっている。
ほとんど作業が進まないまま1年以上が経過したとき、私はひとつの明快な解決策を思いついた。移動研究室を作ればいいと。家は誰かに貸して、必要なものすべてを車に積むのだ。
こうして、Polarisプロジェクトが始まったのだ。私は、24フィートの汎用トレーラーの中に、こぢんまりと効率的な電子工作の研究室兼工房を作った。無駄に広い 100平米の建物(もともとMicroship labだったところだ)の中身を「蒸留」して押し込んだ。ずっと昔から棚の上で埃をかぶっていたものは、まとめて捨てた。そして、数え切れないほど重複した工具の数々は、長年の工房整理経験を活かし、使われない山ほどの工具を工房中に積み上げる結果となった「いつか使うかもしれない」という考え方と決別し、今取りかかっているプロジェクトに必要なものだけを残すことにした。
新しい移動研究室のほうがずっと使いやすいと気づくまでに時間はかからなかった。さらに、これが単なる旧研究室のミニチュア版ではないこともわかった。ここには展開アンテナ付きのアマチュア無線機がある。セキュリティーは強固だし、ネットワークツールもある。iPodとSirius衛星ラジオが聴ける船舶用ステレオもある。照明もいい。専用のMacに、将来のボートプロジェクトのための部品もすべて揃っている。ハンドツール、パワーツール、旋盤、折りたたみ式テーブルソー、サンダー、グラインダー、エアーツール用コンプレッサー、万力、などを含む道具は、電気溶接機、ガス溶接機、業務用ミシン、そしてもうすぐCNCルーターも来る。メインの作業台には4チャンネルのTektronixオシロスコープ、Metcalハンダステーション、ステレオ顕微鏡、電源、Arduino関連部品のストック、そして普通の検査器具が一式揃っている。そして材料は、小さな部品を入れる壁用の小引き出しを含めた869の引き出しに収められている。これらは、移動中は2.4メートルの折りたたみ式ホワイトボードで固定される。
電源は大きな問題だった。マリーナの駐車場には手軽に使える電源がないからだ。そこで、私が当初考えていたよりも複雑なシステムが必要になった。

電源装置は、正弦波インバーター充電器、充電管理装置付き240ワット・ソーラーパネル、30アンペア船舶用電源ケーブル、2000ワットのホンダ発電機、AGM蓄電池バンク、並列配線の照明とブレーカ―ボックスにそれぞれ対応する交流用と直流用の配電盤という仕様だ。基本的に標準的な船舶用の電源システムをベースにしている。2~3日は、外部電源なしで作業ができるように考えた結果だ(ヘビーな作業なしないとして)。太陽も出ていなくてコンセントもないという非常事態になったときは、ホンダ発電機を荷台に乗せて、短いピグテール線で繋ぐ。
当然のことながら、移動が前提なので、あらゆるものが振動に耐えられないといけない。そこで、すべての家具(特に古い鉄製のがっしりしたもの)はボルトで固定した。引き出しや棚には鍵が掛かるようになっている。そして、ドアの脇には「飛行前チェックリスト」を貼っておき、がたがた道を数マイル走ったところで机の上の部品が床に飛び散るなんて馬鹿なことにならないよう、チェックするようにしている。

この記事でゲスト著者としてMakeに招いていただき、非常にうれしく思っています。これから数回にわたって、モバイルラボの(または少なくとも戸外に出る)ために役立つ情報を提供していきたいと思います。
- Steven Roberts
[原文]
Posted by Tetsuo Kanai |
Jun 4, 2010 03:00 AM
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